とある研究員の資料 2【実況者】 (ページ1)

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▶︎深緑のJK ページ1

「先生って、元からそうやったん？」

彼が不意に聞く。

「そう、とは？」

抽象的な言葉に、私は首を傾げる。

「なんやろ。変に生意気で律儀な感じ？」
「同じ歳ぐらいの君に、そんな子供に言うような言葉を言ってほしくないね」

つん、と突っぱねると、彼はそんなこと言わんといてぇ〜と柔らかな口調で言う。

「だって先生、俺のリスト通りの行動しとるんやろ？」

ぴら、と彼が一枚の紙を私の目の前に出す。

「俺の予想通りやと、そろそろ精神が参るはずなんやけど」
「君、それを見越して私にその予定表を寄越したのかい？」
「？当たり前やろ。それにつけこんで、先生の精神をもっと破壊するんやから」

あまりの作戦に、私は頭を抱える。

「君、性格悪いだろ」
「先生酷いわァ。俺は先生のこと思って言ってるんやで？」

にこり、と彼は笑う。これが作り笑いとは信じられない。

「私のこととは言うけどね、結局は君だけの為になるんだろう？」

彼は問いかけた私を憐れむように眺める。

「先生･････誰も信じられんくて可哀想やね。大丈夫。俺の言う通りにすればそんな思いせんくてええんよ？」

恍惚そうに語る彼に、私も憐れむ視線を送る。

「信じられないんじゃない。私の意志で信じないんだ。信じたら碌な事が無いからね」

彼は嫌そうに眉をひそめる。

「碌な事って例えば？」
「私を自分好みのオモチャに仕立て上げられること」

さらりと言うと、彼は重いため息をつく。

「それってさ、先生。もしかして俺のこと言うとる？」
「君じゃなかったら、一体誰のことを言っているんだい？」

彼は更に嫌そうな声を上げる。