溶け合う ページ22
in side
… ねえ、山田、いかないで
嫌いじゃない、なんて言い方したけど
俺も本当は山田が 好きで好きで、堪らないんだ___
『俺も、やまだが …』
俺なんかが君のことを好きになっていいのか。容姿端麗で 、性格も良くて、将来の相手は選り取りみどりだろう。それなのに、運命の番とかそういうので君を邪魔したくない。
好き、と言いかけた口を閉じる代わりに 色んな気持ちが涙となって溢れ出る。
「伊野尾ちゃん 、」
優しい温もりが俺の片頬を包み込む。
目の前の君に愛されたいと思ってしまうのを抑えられない。
「俺は、伊野尾ちゃんが好きだよ」
でも、それは本能の影響でそう思うんじゃないの?αはΩのフェロモンに惹かれるっていう性質があって、それに、君はΩは苦手でしょ…?
「きっかけは本能でも、いつの間にか本気で好きになってた。Ωでも、伊野尾ちゃんは俺に向き合ってくれる、俺をちゃんと見てくれる、優しい人で、」
それは、俺のせいで君の本能を刺激しちゃったんだから 、だから 、責任もって向き合うのも当然で 、
「伊野尾ちゃんは、俺みたいなアルファは嫌?」
.
どれだけ目を逸らそうとしても、言い訳を重ねても、君のことが好きな気持ちは消えず、より色濃くなっていく。
君に愛されたら 、どんなに幸せなんだろう。
.
嫌じゃないよ、嫌なんて思う訳がない、
「… じゃあ、俺の全部を 受け止めて」
唇同士が重なるのを感じる。甘く舌を絡ませ合いながら、俺の身体は彼に押し倒されるがままベッドへと沈む。
胸元へ這っていく指先。発 情によって敏感になっている身体は、山田に触れられるだけで更に熱を帯びていく。
「伊野尾ちゃん、すげえ可愛い、」
身に纏っていた服は剥がされ、直に感じる彼の体温。優しく触れられる度に もっと欲しい、とお腹の奥がキュッと締め付けられるように疼き、じわじわと濡れていくのを感じる。
.
そのまま、とろとろに蕩けた秘部に宛てがわれた山田のモノ。空っぽだった中に、温かくて優しい熱が入り込んできて、心も身体も今まで感じたことないほどに満たされていって。
「… やべ、俺、伊野尾ちゃんに死ぬほど夢中だ、」
そう微笑んでくる山田の顔が目に映る。
.
俺、もしかして 夢でも見てんの…?
もし、現実なら、これを幸せっていうのかな
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作者名:猫 | 作成日時:2023年3月1日 20時