先輩、俺のオメガでしょ？ (ページ11)

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辛酸ページ11

in side

『ただいま〜…』

って、一人暮らしだから誰の声も返ってこないんだけど。

『あー…疲れた、』

なんだか今日はいつもよりも疲労感が凄くて、玄関からベッドへ一直線。

制服のまま倒れ込むように横になると一番に目に付いたのは枕元に置いてあるネックレス。俺のものじゃない銀色のそれが視界に入る度に嫌な記憶が脳裏に蘇って心が痛む。

じゃあ捨てれば？って話なんだけど、最近は特にそれが出来なくて。自分への戒めみたいなもんだよね、もう二度と恋はしない、誰も求めないっていう。

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"ごめん、俺、そういうつもりじゃなくて…"
"番は無理だよ、伊野尾くん"
"俺は、Ωと付き合う気はないんだ、"

身体だけの関係だった？
俺が、愛されたい本能を抑えられずに君にフェロモンを向けてたから、仕方なく付き合ってくれてただけだったの？Ωなんて、最初から嫌いだった？

身体を重ねる度に、言葉を交わす度に、君も俺を愛してくれてると思ってたけど、愛してたのは俺だけだったんだね＿＿＿＿高木

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答えを聞くのが怖くて逃げてしまったけど、

今日、俺が山田に聞きたかったこと。

君はあの時、やっぱりオメガはって言い方をしたよね。その部分がどうしても引っかかっちゃって。

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ねえ、山田もさ、オメガのこと嫌い？