【刀剣乱舞】失われた本丸へと【あんスタ】

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「大将！はやく逃げろ！」
「俺達のことは気にすんな！」

厚と後藤の叫び声。

「主さん…はやく、行って…」
「主様…逃げて、くださいっ…」

乱と五虎退の悲痛な泣き声。

「大将！早く行って！」
「主君、急いで！」

信濃と秋田が庇おうと前に出る。

『…ぁ、やだ、やだよ…絶対やだ、』
「おい、大将しっかりしろ！」

私の肩を揺さぶる近侍の薬研。
検非違使が部屋へと乗り込んできた時。
薬研が私の手を引っ張り外へと走り出した。

「主君、今まで、ありがとうございました」
「どうか、ご無事で」

前田と平野の声が、最後に聞こえた。

「行け、大将」

ガチャンと、機械を動かした音が響く。
敵槍が気づき、迫ってくる。

「…させるかよ！」

薬研がギャリ、と敵の刃を受け止める。
ただでさえ重症、折れる寸前だと言うのに。

現世へのゲートが現れ、私は背中を押された。

「大将…大将なら大丈夫だ。
俺達がいなくてもやってけるだろ。

…じゃあな、大将」

悲しげに呟く薬研。
ゲートへと落ちていく自分の体。

そのまま、私の意識は途切れた。

暗闇の中へと落ちていく。執筆状態：完結