君を、想ふ -北藤-

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ライブも、もうすぐ目の前に迫っている。

姫を連れて、メンバーと合流。

ダンススタジオに集合。

「ん〜、ガヤから色気が感じないね〜」

玉の開口一番がこれ。

色気とは、キングの色気。

藤北の仕事の顔。

「えっと……」

初めてじゃないのに、どうしていいかわからず戸惑う姫。

「お玉。ガヤさんが戸惑ってるでしょ。俺は宮田俊哉。よろしくね」

宮田の自己紹介。

差し出された手を握りながら…。

「鼻、デカいね」

「ガヤさん。記憶なくてもそこ突っ込むのね〜ｗｗ」

ちょっと笑う姫。

次は二階堂。

「俺は二階堂 高嗣。俺達がフォローするから大丈夫だから」

二階堂…ドＳで結構、熱い奴なんだよな。

「ニカ、退いて！俺は千賀 健永。この前のお願い、覚えてないよね？」

お願い？

「お願いって、何？」

俺も、姫に同感。

「ずっと、ガヤさんって呼んでたけど、ガヤって呼んでいい？っていうお願い」

何だ、そりゃ。今更だろｗｗ

「呼び方は、好きにしていいよ」

頷く姫に大喜びの千賀ｗ

「次、俺。初めまして、○○です。一応、太輔の親友もやってましゅ…あ、噛んだｗ」

最後の最後に噛み過ぎでしょ(笑)

「趣味は料理。太輔の大好きなプリンも作るよ」

「プリンっ♪」

姫は、甘いもの好きだからな〜。

さて…最後は、玉。

「………」

玉？

黙ったまま、姫をガン見する玉ちゃん。

「…玉森裕太。あのさ、ライブ成功させるためにここに来たんだよね？」

声のトーンがゆるふわじゃない。

「その乙女思考も、雰囲気も邪魔だよ」

記憶の無い姫に、酷なことを言う玉。

俺は、玉の腕を掴んで隅に移動した。

「玉…どうした？」

「それはこっちの台詞だよ。ガヤの記憶ないのは、本人のせいじゃないけど…あの雰囲気じゃ、ファ

ンにバレるよ。キングじゃない」

「それは、分かってるよ。でも、頑張って睡眠時間削って振り付け覚えてんだよ。映像見ただけで覚

えられないから、俺達のスケジュール合わせて、振り付け覚えさせようって思ってんだろ」

「今のままじゃ、ライブは成功しないよ」

…は？

「キング藤ヶ谷じゃなきゃ、意味ないって？姫のあいつはいらねぇって、邪魔だってそう言いたいわ

け？」


どっちも『藤ヶ谷 太輔』に必要だ。

どっちが欠けてもダメなんだよ。

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