48 ページ48
「おかゆ、できたよ。食べられる？」
「はい」
「抱っこ、しよっか？」
「え！？」
「おんぶしたら痛いでしょ？」
「そうだけど…っ」
「何？」
「は、恥ずかしいっ」
「もっと、恥ずかしいことしてるのに？」
真っ赤になったひろがもっと赤くなる。
「ひろを抱っこするのも、そんな格好見るのも俺だけだから、大丈夫」
「分かってるけど、恥ずかしいものは恥ずかしいのっ(/ω＼)」
照れまくるひろを抱っこしてリビングに行き、椅子に座らせる。
「ちょっと待ってて」
おかゆ一式乗せたトレイを持ってひろの隣に座った。
「はい、あ〜んして」
ひろに食べさせる。
「どう？玉子粥」
「おいしい」
「たくさん食べて。ひろと両想いになれたあの時に食べさせてもらったから、そのお返し」
「あれは…市販のレトルトだよ。たいが作ってくれたお粥の方がずっとおいしい」
そう言って、モグモグ食べてくれる。
食べさせていると、携帯が鳴った。
「ちょっと、電話してくるね」
「はい」
少し離れた場所に行く。
表示された名前は一緒に仕事してる同僚の上野だった。
「どうした？」
『遅くに悪い。明日、別の仕事が入って一緒に回れなくなったから簡単にスケジュール教えときたい
んだけど』
「ああ…」
メモを取りにいこうとしてひろがおかゆを零した。
口についたおかゆをティッシュで取ろうとした手を掴む。
「たい…？」
口の端についたおかゆを舌で舐め取る。
声を出そうとするひろを、指を立てて静かにさせる。
スケジュールを説明する上野の声に空返事しながら視線はひろに向けたまま。
顔を真っ赤にして口を金魚のようにパクパクさせるひろ。
メモを取りに行くのはやめて、椅子に座り、電話しながらひろに食べるように視線を送る。
口に入れる様をジッと見つめる。
恥ずかしいのか、ひろが俺を睨む。
『分かったか？』
「…ああ」
『遅くに悪かったな』
電話を切り、ひろにキスをした。
「ふぁ…っ」
俺の胸を突き放して必死に呼吸する。
「たい…っ、電話してる時に何するのっ」
「何って…ひろの食べ方が、エロいから」
「エロくないっ！しかもまだ食べてる途中っ」
「ひろがお粥零すからいけないんだよ」
テーブルに肘をついて頭を乗せてジッとひろを見つめる。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 553人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まほまま(プロフ) - 次は愛の実に決まったんだね。イチャイチャも読みたいけど、アイツとの決着もまだ着いてないもんね。 (2018年4月29日 22時) (
レス) id: de2262a235 (このIDを非表示/違反報告)
kmf2kkrtmm(プロフ) - まほままさん» ここも癖が出とる〜っ！！あ、次は移行します〜。タイトルは「愛の実」！！「恋の実」じゃないから〜( *´艸｀)恋はもうしてますからたくさんの愛を注いでもらいましょう…という意味で愛の実に決定しました〜。見つけた際にはお待ちしてます〜♪ (2018年4月29日 6時) (レス) id: 0bbb450268 (このIDを非表示/違反報告)
まほまま(プロフ) - ここもクセが出とるわ（笑）てか笑えなーい！読んでて涙出たわ！ひろは死ぬかもしれない恐怖の中でたいに電話をかけた…。たいはわかってしまったよね、あの血の量を見たら…たいの気持ち考えたら涙出た…。 (2018年4月28日 22時) (レス) id: de2262a235 (このIDを非表示/違反報告)
まほまま(プロフ) - ドアに鍵がかかってなかった…。それだけでひろの異変に気付くたい。かなり深い愛だよね。たいには腹わた煮えくり返っていてほしい。だってひろにあんなに酷い事したんだもん。でないと私の腹わたがおさまらない！メッセージ、いつでもカモンよ〜(*´艸｀) (2018年4月27日 22時) (レス) id: de2262a235 (このIDを非表示/違反報告)
kmf2kkrtmm(プロフ) - まほままさん» 腹の中は煮えくり返ってるでしょうね〜。でも、ひろに対しては純粋に自分の指に感じてくれてるのは嬉しいと思っております。成敗の方法…ちょっと、メッセージで送ってもいい？ (2018年4月27日 7時) (レス) id: 0bbb450268 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ともみ
| 作成日時：2018年3月21日 6時
