恋の実 -藤北-

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浴槽にお湯が溜まり、俺が先に入った。

なかなか、ひろが入ってこない。

「ひろ〜」

声が木霊する。

「隣の人に聞こえちゃうからっ」

タオルで前を隠し、顔を真っ赤にしたひろが入ってくる。

「ひろが遅いからだよ」

「そんなに待たせてないよっ！」

「待ったの」

ひろの手を引いて一緒に湯船に浸かる。

「すごく、久しぶりだね。一緒に入るの」

「そう…だね」

「ねぇ、ひろ」

「た、たいっ。近いっ」

「近づいてんの」

ひろに向き合って距離を詰める。

「その人…どんなキスしたの？上書きするから言って？」

「…押し付けられて、舌も…入れられ、た」

ポトン。

浸かってるお風呂がひろの涙を吸い込む。

「ひろ。顔上げて」

両手で頬を包んで、目を合わせる。

「この一週間の記憶は、俺が上書きするから、大丈夫だよ」

「……っ、たいっ」

距離を縮めて…キス。

「…ん…ちゅ…ひろ、舌ちょうだい」

「…ん…あー…じゅる…んんぅっ」

ひろの舌を吸って、絡めとる。

記憶も…甘い唾液も。手を耳の裏、首筋に滑らせて、肩を掴んだ。

キスをやめて…聞いた。

「このキスマークは、俺が付けたやつだからね」

「…たい、が、付けたの？」

「うん。記憶すり替えてね」

鬱血した痕に唇を押し付けた。

強く吸って痕を付ける。

「痛…っ」

震えるひろの肩を押さえて、キスマークを舐めた。

「たい…ぃっ」

「ごめんね。痛かった？」

「…痛かった(´;ω;｀)」

「ごめんね」

ひろを抱きしめて、頭を撫でて慰める。

「よしよし。いい子、よく頑張ったね」

「たい…俺、もう大人。子供じゃないよ」

「身長は子供でしょ」

「たいが大きいからっ、俺は…男として……小っちゃい？」

「ん〜、他の男はどうでもいいけど、ひろはこのままでいい。この身長がちょうどいいから、気にし

ないの」

「たいが言い出したことなのに…(*´з`)」

「ふふ( *´艸｀)あんまりお風呂に入ってると逆上せるから、早く洗って上がろっか」



お互いに体を洗い合って、お風呂から出た。

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