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次の日。
「……ろ。ひ〜ろっ」
姫の声と体を揺さぶられて、夢の中から意識を覚醒させる。
「おはよ、たい」
「おはよっ♪朝だよっ」
「今、何時?」
「4時だよっ」
……何だって?
「ごめん、姫。もう一回言って」
「4・時っ!!」
文字を区切っての発言。
視線を姫から逸らして部屋の中を見回すと、太陽の光は差し込んでおらず、真っ暗闇。
「……あの〜、姫?」
「何っ!?」
「まだ、4時だよ?」
「もう、4時なのっ!起きてっ」
「いや。もう少し寝たいな」
「ひろは、俺を一人にする気っ!?」
いや、そういうことじゃなくて…。
「ひろも起きるのっ」
「巽さん迎えに来るの、10時だぞ?」
「だからっ!?」
切り返されたよ…。
「今は興奮して目がさえてるかもしんないけど、遊園地に行って、眠くなってもいいの?」
「……え」
「楽しい時間に睡魔に襲われて観覧車に乗れなくてもいいんだ?」
すると、たいは目の涙を溜めて…フルフルと首を振って嫌がる。
「…嫌っ!もう一回、寝るっ」
「ほら、来い」
たいの手を引いてベッドに引き戻す。
体を摺り寄せてくるたいの髪をなでる。
「しっかり寝ないと、心から楽しめないだろ?楽しみにしてるのは俺も同じだから分かる。今はゆっ
くり寝て、睡眠取ろう。ちゃんと目覚ましかけとくから。な?」
たいの背中に手を回してトントンとリズムを刻んで叩く。
「ひろ…ごめんね」
「謝らなくていいから、たくさん楽しんで、姫の笑顔見せてくれな」
「うんっ」
姫が寝たのを確認して、目覚ましをセットして俺も眠りについた…。
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まほまま(プロフ) - 追っ掛けるのに忙しいわwww (2018年2月11日 0時) (レス) id: de2262a235 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ともみ | 作成日時:2018年2月10日 20時