ちびと姫 -北藤- (ページ4)

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～太輔Ｓｉｄｅ～

ソファーに座ってＴＶを見てると、ひろに肩を叩かれた。

「たい」

「ん？」

「遊園地のことなんだけど…」

やっぱり、取れなかったよね。最初から期待してないから大丈夫だよ。

「分かってるよ。俺達の休み、取れなかったんでしょ」

「行けるよ」

なんて、逆の返事が返ってきたから反応が遅れた。

「…え？」

「来週の木曜日。休み取れるって」

「本当に！？」

「うん」

「ドッキリとかじゃないよね？当日に、やっぱり仕事が入った言わないよね！？」

「言わないよ(笑)」

「絶対！？前の日に風邪とかひかないようにしなきゃっ」

絶対、行きたいっ！！

「風邪ひかないようにしろよ。俺も気を付けるけど」

「やったぁっ！…遊園地っ、でえとっ♡」

行ける嬉しさで、ひろの声が入ってこないっ(笑)。

ソファーの上で座りながら飛び跳ねる。

「仕事、頑張ろっ♪」

ひろに、来週の休みに行けると聞いて断然、やる気が湧いてきた♪

いつも以上に仕事を頑張った。

どんな服を着ようとか、風邪ひかないようにしなきゃとか、どこを回ろうとかそっちばかり頭にあっ

て、肝心な交通手段とかチケットを取るとかそんなことはこれっぽっちも考えてなかった。

やっぱり、観覧車は最後の締めだよね～♪

頂上で、キスした恋人同士はずっと一緒にいられるっていうジンクスがあって、乗り物よりもそれが

一番大事なこと。

俺の中で、ジェットコースターや恐怖のお化け屋敷よりも、観覧車が、脳内を埋め尽くしていた。

どきどき…わくわく♪

どうしよう。早く、木曜日にならないかなっ！！