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「よし。次はここに行くか」
パンフを指さしてたいに見せる。
「お化け屋敷」
「……………は?」
おぅ♪俺の好きな声で低音ヴォイス、頂きました!!
「…本気で言ってんのか?」
キング降臨♪じゃなくて、今はプライベートだ。早く、姫に戻さなきゃ。
「本気で言ってる」
「………怖いの、やー」
頬を膨らませてそっぽを向く姫。戻ってくれて一安心。
「ひろは、俺にゾンビの目の前で腰抜かせって言うの?」
「いや。そうじゃない。俺が言いたいのは…」
「血だらけのゾンビが襲ってくるんだよ?そんなとこに恋人を放り込むの?幽霊も怖いけど、ゾンビ
も嫌っ!昔と違って、今はすごいスピードで走ってくるんだよ!?すぐ追いつかれるじゃんっ!」
ああ、昔のたいに戻ってる。
誰よりも騒いで周りを笑わせてマシンガントークを嚙ましてたあの頃のたいに…。
「噛まれたらゾンビになっちゃうし、そんな俺を連れ帰って何するつもり…「ストップ!!」
たいの口を手のひらで押さえて塞ぐ。
ゾンビの話でどうしてここまで妄想できるんだよ…。
「俺が怖がるとこ見て面白い?」
「そうじゃないってば。俺の話聞けよ」
「じゃあ、何?」
「お化け屋敷で想像することは?」
クイズにしてみる。
「お化け。怖い。人形…血」
「俺はたいを怖がらせたいんじゃなくて、たいにくっつきたいの」
本音を言った。
「なんでお化け屋敷?」
「怖いなら体くっつけて近づいても、平気だよ」
俺は、全然怖いのは平気。さっきも言ったけど、ただたいにくっつきたいだけ。
「ひろにくっついても…いいの?」
「ああ。腕組んで歩けるぞ。だって、お化け屋敷って怖いとこだから皆、そうしてるし誰も気にしな
いよ。好きなだけ、くっつける。俺が守るから、一緒に入ろうぜ…な?」
たいが観覧車目当てなら、俺は、お化け屋敷に決めていた。
暗闇だし、見られてもゾンビしかいないし♪
イチャイチャできる♪
暗いのに分かるの?触れるの?って思ってる?
暗くたって、たいがどこにいるか分かりますよ〜♪
ライヴの時も何故か、たいのことだけ見えるんだ。
やっぱ、俺はたいのシンメですからぁ〜♪
「ひろ?」
呼ばれて我に返る。
「いっぱい…くっついていい?」
「いいよ」
「怖いけど…ひろが、守ってくれるなら、ひろにくっつけるなら…行く」
「よし。決まりっ♪」
たいの手を引いて、お化け屋敷へと向かった。
その後、たいと離れ離れになるとも知らずに…。
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まほまま(プロフ) - 追っ掛けるのに忙しいわwww (2018年2月11日 0時) (レス) id: de2262a235 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ともみ | 作成日時:2018年2月10日 20時