キス限定 -藤北-

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バッサリ切り捨てる北山の冷めた声と言葉。

「手を繋ぐのはいいですけど、キスまで求めてくるのはおかしいでしょ」

北山…怒ってる。

頭が真っ白…。

男同士…手は繋げても、キスマではできない。

それは、当然の反応だ。

「ごめんね…北山」

声だけでなく、体もガタガタ震えてくる。


北山を好きになってごめん。

特別な感情を持っててごめん。


「なんで、謝るの？」

「ごめん…っ」

「なんで…泣くの？」

視界が揺れて、北山が見えなくなる。

北山…困ってる。

しっかりしなきゃ。

瞬きして、涙を退かす。

涙、拭かなきゃいけない。

繋いでいた手を放そうとして引き寄せられる。

頬に触れる柔らかい感触。

北山のドアップの顔。

「藤ヶ谷、しゃがんで。これじゃ、届かないから」

「え…うん」

意味が分からないけど、言われた通りに膝を曲げる。

「…わっ」

瞼にキスされた(*ﾉωﾉ)

「…え…？……えっ？」

「手繋いでて涙、拭けないから。我慢しろ」

手なんて、離せばいいのに。

北山…なんで？

「有馬さん、これでいいですか？」

「…あ…うん。カメラに収めたから、もうＯＫだよ」

「藤ヶ谷。行くぞ」

繋いでた手を放して、手首を掴まれてスタジオを出ていく。

楽屋に行くと、ソファーに一緒に座る。

まだ…手は離してくれない。

「北山…手離していいよ？」

「なんで？俺と手繋ぐの嫌なのか？」

「そうじゃないよ…っ」

「なんで、泣いたの？」

それは…北山が好きだから。

北山に想いが届かないことが…伝わらないことが辛いから。

「北山は…好きな人、いるの？」

「いるよ」

自分で聞いておいて、肯定されて傷つく…最低な自分。

「そっか…いるんだ」

「なんで泣いたか聞いたのに、質問で返してくるの？しかも、関係ない話だろ」

「関係あるよ」

「…え？」

もう、気持ちを伝えてケリを付けよう。

気持ち悪いって言われるだろうけど、胸が苦しいから。

断られるって分かってるけど、それでも伝えてフラレないと、前に進めないから。

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