愛を乞う、声無き最強ボディーガード -龍竜- (ページ3)

今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:2,314 hit

3 ページ3

ドアの向こうはもっと広くて、手前に並んだ6台の机。

最奥に大きな机が1台。

マンションの幅が狭い分、奥に向かって敷地が広くなっているんだ。

「都築竜哉さんですね。どうぞ、おかけください」

手前に3人掛けのソファーがテーブルを挟んで両サイドに2つ。

真ん中に1人掛けのソファーがあって。

その1人掛けのソファーに座ってる黒のスーツに身を包んだ男性と目が合った。

ショートのサラサラな黒髪。

目鼻立ちがすごく綺麗だ。

男性に対して綺麗と表現するのは初めてだった。

そばに来てニコニコな笑顔で腕を引かれて、ソファーに座る。

【ようこそ！】

あれ？

唇は動いたのに声が聞こえない。

首を傾げる。

【ＢＧ龍(たつ)へ！】

また、唇は動くのに声が聞こえない。

「都築さん」

別の人に呼ばれて視線をそっちに向けた。

「ご連絡、ありがとうございます。俺は薩摩雪。ようこそ『ＢＧ龍』へ」

サラサラな黒髪で…耳まで伸ばしたセンター分けで目が細い。

この場にいる皆さんの名前を紹介された。

藤乃奏多、年は21。

薩摩雪、年は23。

阿部羅蜜希、年は22。

加賀美心羽、年は20。

さっき警備室にいた童顔の子は世良月光、年は18。

そして。

俺が綺麗だと思った相手がこの会社のトップの皐月龍、年は19。

このメンバーで仕事をしているらしい。

全員、黒髪。

そして、センター分け。

あ、皐月龍を除いては。

「…俺、25でこの顔なんですけど、大丈夫ですか？浮いてません？」

そう、聞いてしまうくらいに、俺の顔はこの中では年上に見える。

実年齢も一番上なんだけどさ。

「ここでの採用に年齢は不問です。ネクタイさえしなければそれでいいです」

そう、それだ。