みっくんのお嫁さん -北藤-

たい、玉と友達になる。 ページ10

「高橋先生に問い詰められて怖かったんだよね〜」

声がする方に顔を向けると。

「玉」

「なんかね〜、みつに会いたかったみたいだよ」

「たい。俺に会いに来たのか？」

そっと聞いたら、涙を拭きながら頷くたい。

「朝から…ずっと会いたくてっ、でも、母さんが外出たらダメっって言われて…我慢したけど…っ、

どうしても我慢できなくて、会いに来たの…っ」

泣きながらもここに来た理由を話してくれる。

「どうしていいか分からなくてここにいたら…その高橋先生に話しかけられて…っ」

「怖かったか？」

「…んっ、家族とひろ以外の人に会うの、初めてだったからっ」

「俺が来たから、もう大丈夫だよ」

俺に会いにここまで来るなんて…可愛すぎる。

「困ってた時に…玉、さんが助けてくれたの」

「玉さんって何〜？さんはいらな〜い」

「玉…助けてくれたのか？」

「うん。だって、困ってたから。俺の友達だって言ったら、すぐいなくなってくれた〜」

「たい、紹介するよ。こいつは玉森 裕太。高２で一緒に空手やってる。今は主将やってる。玉、こ

いつは藤ヶ谷 太輔。俺の家の隣に住んでるんだ」

「何、みつ〜。俺の事紹介したってことは〜友達になっていいの？」

「いいよ。たいがＯＫしたらだけど」

顔を覗き込んで、表情を伺う。不安そうな顔。

家に引きこもって家族と俺以外の人間と接触するのは初めてだから、仕方ないか。

「ひろ…」

「ん？無理すんなよ。嫌なら断ってもいい」

「…大丈夫。玉、と、話したい。友達になりたい」

「友達になれる〜♪」

玉がたいに向かって手を差し出す。

「ガヤって、呼んでもいい？」

藤ヶ谷だから…ガヤ、か。

斬新な呼び方だな。名前で呼ばれるよりはいいけど。

「いい、よ…」

たいが呼び方をＯＫした。

「ガヤ、可愛〜い。家に行ってもいい？」

あのな…。

「お前は今から部活だろ。ちゃんとしろ」

「え〜、じゃあ、みつは？一緒に帰るの？」

そうだよ…って、言えたらなぁ。

でも、たいを一人で帰したくない。

「別に、今日一日くらい、部活休んでもよくない？」

「玉？」

「みつはもう今年で３年だし、そんなに出なくてもいいでしょ。それに、一緒に帰りたいって顔に書

いてあるよ」

えっ？そんなに分かりやすいか？

「こんなとこでイチャつかれても困るから、さっさと帰ってくださ〜い。ガヤ、また来て。ゆっくり

話したいからぁ〜」

手を振って、玉が中に入って行った。

溢れる想いの反動。→←目に入れても痛くないくらい、可愛い。

ラッキーアイテム

革ベルト

おみくじ

おみくじ結果は「末凶」でした！

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す