魔法使い達の旅 (ページ20)

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「あぁ、アイツの父は許されざる呪文を使って闇の魔法使いに堕ち、同じく姉もホグワーツで問題を起こして退学になり…」
「程なくして同じく闇の魔法使いになった…あの…」
私に視線が一斉に集まる。ジロジロと見られて、ひそひそと噂される。何も間違ってはいないからこそ余計に嫌な気分になる。…これが嫌だからわざわざミドルネームを名乗っていたのに。
俯いて、握り詰めていた私の拳に温かな手が重ねられる。
見上げればニュートがいて、優しい声色で大丈夫だよ。と私に聞こえるくらいの声量で囁く。
「……ありがとう。」
小さな、小さな声で呟く。
…本当に、ありがとう。辛い時はいつもそばにいて、支えてくれて。

「ゴールドスタイン。もう1人は？」
「ジェイコブ・コワルスキーさん。ノーマジです。スキャマンダーさんの逃した動物に噛まれてしまって…」
「ノーマジ？」
ジェイコブがノーマジだと知ると一旦静かになった人達がまた喋りだした。
「…なんてことだ。」
ニュートの声につられ、私も上を見ると
「…あれは」
人の死体があった。
「あなたのどの動物の仕業かお分かりでしょう？スキャマンダーさん。」
違う、あれはニュートの動物の仕業なんかじゃない。
「いいえ…あれは動物の仕業じゃない。分かってるでしょう…。」
「あの印が何よりの証拠です…あれは…」
「「“オブスキュラス”です。」」
同時に告げると信じられないのかざわざわと喋り出す。
「滅多な事を言わないように。アメリカにオブスキュラスを生む者はいません。」
…なんでそう確信を持って言えるのよ。
「トランクを押収して。」
「待ってください！トランクの中には＿」
「逮捕しなさい。」
ニュートのトランクは奪われ、私達は魔法で捕まえられる。
「動物を傷つけないで…その子達は危険じゃありません…！本当です！」
「…やめて…やめてください、危険じゃないんです…！お願いします、傷つけないでください！」
私とニュートは声を上げるがまともに取り合ってもらえない。
…お願いだからやめて！本当に危険じゃないの…！
「我々が判断します。牢屋に入れて。」
「傷つけないでください…危険な動物じゃありません！お願いです、その子たちを傷つけないで！」
「お願いします…信じてください…！」
「危険じゃありません！危険じゃないんだ！！！」