お願いだ私から離れてくれ【牛島若利】

お願い ページ21

牛島side






近頃Aに避けられている気がする。






教室へ行っても居ない。部活にも来ない。







俺は何かしたのだろうか、心当たりが全くない


もし気が付かないうちに彼女を傷つけたのなら謝らないといけない。





しかしまともに話せていないこの状況でどうやって話しかけたら良いのだろうか







頭の中に靄がかかって苛立ちが更に増える






今日も教室に行った。その時急ぐように教室から出て行ったAを見つけた






その時どうしてだろうか、考えるより体が先に動いてAの腕を掴んでいた







Aは驚いたようにこちらを見るがすぐに目を逸らしてしまった







とりあえず何か話しかけなければ、彼女がどこか遠くへ行ってしまうような気がした






牛島「どこへ行く」






A「…………………………購買」







牛島「俺も行k」






A「来るな」








──────。









牛島「…そうか」









俺は、手を離した。離してしまった。









走っていくAの背中が見えなくなるまで、俺はそこに立っていた。









そして今日も、空いているパイプ椅子を眺めて



部活に専念した







　
　

───────────────────



放課後の教室での事だ。急に天童が教室へやってきた。








天童「やっほー！Aちゃん」

　





A「天童先輩すみませんが先を急いで居るのでこれで失礼しま…」

　




天童「今はバレー部員としての俺じゃなくて、先輩としての俺が話しかけているからセーフ」







私は驚いた。何故この人はそのことを知っているのか





天童「なんで知ってるかって？それは秘密」







A「…………何の用ですか」







天童「最近Aちゃん若利君に何か言ったでしょ」






────────……え？

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