空色のヘルメット【wrwrd】【syp】 (ページ19)

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第17話ページ19

syp.side

あれから１ヶ月の月日が流れた。

自分が過ごしてきた中で1番早くて色あせた
１ヶ月だった。

何をしても楽しくない。

何もする気にならない。

おまけに書類はミスだらけ。

訓練も上の空で一般兵にまで心配された。

トントンさんは俺に気遣ってか、Aが
起きるまで休暇をくれた。

けど、それは申し訳なさ過ぎて１ヶ月に
してもらった。

まだまだ時間はあるので医務室に行く。

ｶﾞﾗｶﾞﾗｶﾞﾗ

syp「失礼します…」

もう嫌な程聞きなれた音でドアが開く。

中には白衣を来たしんぺい神さんの姿。

sn「あ、ショッピ君、今日も来たんやね。
ゆっくりしてってね」

しんぺい神さんは毎日飽きずに俺を迎えてくれる。

感謝してもし切れない程だ。

syp「毎日ありがとうございます…」

sn「いいよいいよ、気にしないで」

涙が出そうになったが、慌てて引っ込める。

…本当に泣きたいのはAだから。

お兄ちゃんだから、我慢しなきゃ。

ｼｬｰｰｰ

syp「A、おはよう。」

カーテンを開けた先のベットには幼い頃の面影を残した妹の姿。

けど、幼い頃よりもっともっと大人っぽく
なっていた。

男と見間違えそうな程短い髪と俺に似た髪色。

syp「A、今日も起きないんか。
俺、そろそろ限界なんよ…やっと、やっと
会えたのに…こんな形で毎日会うって辛いんや……シャオロンさんももう限界なんやで？
だからさ…はよ目覚ましてや…」

俺の瞳から透明な液体が流れでる。

こんな濁りに濁った瞳から流れる液体もまた
濁っている。

そんな濁った液体が白いシーツにポタポタと
たれてゆく。

こんなに穢れた俺がここに居ていいのだろうか

こんなに穢れた俺がAの兄でいいのか…

syp「Aｯ!」

こんな情けない兄さんでごめんな…

syp.side終了