空色のヘルメット【wrwrd】【syp】 (ページ16)

今日:3 hit、昨日:4 hit、合計:18,870 hit

第14話ページ16

A.side

後ろを振り向くと、どこか見覚えのある男性と幼馴染の姿があった。だけど、纏っている雰囲気は兄のものだった。

『兄…さん…』

syp「久しぶり…A…」

久しぶりに見た兄は昔より声が低くなっていて
身長も高くなっていた。

sha「A！あの時…ごめんな…」

幼馴染はあの時と同じ黄色いオーバーオール
を着ていた。

『いいんだよ、シャオちゃん。しょうがないよ…ッ！兄さんッ！』

兄さんの左胸に赤いレーザーが当たっていた。

私が叫んだと同時に発砲音が聞こえた。

ﾊﾟｧｧｧﾝ

咄嗟に兄さんの前に出た。一瞬見えた兄さんと
シャオちゃんの驚いた顔。

そしてその後に来る紅い液体と腹部の激痛。

余りの痛さに膝をついた。

自分の周りに水たまりが出来てゆく。

syp「____り___し__！お＿！」

sha「＿ざけ＿＿＿な＿＿＿」

兄さんとシャオちゃんの怒号と
初めて見た兄さんの絶望した顔を最後に
私の意識は途切れた。

～syp.side～

『ッ！兄さんッ！』

ﾊﾟｧｧｧﾝ

気づいた時にはもう遅すぎて、妹の腹からは
血が吹き出ていた。

ﾊﾞﾀｯ

力なく地面に横たわるAの姿を見て、
体の底から怒りが込み上げてきた。

辺りには血溜まりが出来ていた。

syp「A！しっかりしろ！おい！」

sha「ッ！ふざけんな！誰や！」

するとキランと何かが光った。

そこに向けて銃を撃つと、敵国の兵が木の上から落ちてきた。

俺が撃った銃は綺麗に額に命中していて、
息絶えていた。

sha「こいつか…！ショッピ君！今すぐ
Aを医務室に連れてくんや！早く！」

syp「はい！ありがとうございます！」

シャオロンさんがもうしんぺい神にインカムで
連絡していたらしい。

Aを抱き抱え、今までにないスピードで
城へと向かった。

syp「お願いやから…死なんといてやッ！」

sn「ショッピ君！こっちや！」

城に着くと、もうしんぺい神さんが
準備して待っていた。

syp「し、んぺい神、さん、よろし、くお願い
し、ます」

全速力で長い距離を走ってきたため、
息が切れていた。

syp「A…」

俺が心配そうにAの名前を呟くと、

sn「任しといて」

としんぺい神さんが俺に言った。

syp「はいっ！」