不 幸 少 女 ４【A3!】

139話。 ページ4

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読んでみると、中身はすごく甘かった。

例えるならば、亀吉まんじゅうのごとく。



「……これって」

「はぁ……どう考えてもアレでしょ」


「え、名前も知らないのに？」


「一目惚れって、書いてんじゃん。
オレからすれば目、腐ってんかと思うけど」


ひどい。今まさに淀みなく言い放ったよ。



「ただーいまーー」

玄関のほうで声がした。


「あっ、至さんだ……。
春組帰って来たってことは、もうご飯しないと」

「……それ、返事どーすんの」

「え？」


幸くんはボソッと言ったつもりみたいだったが、ちゃんと聞こえた。



「……返事はするけど、多分断ると思う。
せっかくのお誘いなんだけどね」

「なんで」

「だって、24人の世話焼いてるなら今は仕事が恋人なようなものでしょ？」


「……くさ」

「言わせておいて！！」


……このやり取り初めてじゃないな。




「今日は、チーズ入り卵焼きと、
甘い卵とニラとお肉の炒め物にしよう」

「スッポンは？」

「ｻﾌﾟﾘﾒﾝﾂｯで摂ってください。
ウチにはそんなお金ありませんｯ」

「んだよ。うっぜー」


莇くんの反抗期の矛先、私にも向いた。



「……Aが卵爆発させないように見張っとく」


「ありがとう！手伝ってくれるの？」


「つけあがらないでよね」



最近の子はツンデレラ傾向にあるんだなぁ。と思いながら。


「Aは無事？思い上がってない？」

「急にどしたんですか至さん」


「ほら、さっきファンレターみたいなの貰ってたからさ」

「別に思い上がってませんよ。相変わらず口が悪くていらっしゃいますね」

「可愛くない反応やめろ」


卵10個目を割ったところで、至さんがスマホをぽちぽちしながらやって来た。

なかなか失礼なことを言うもんだ。


「……まぁ、最近は虫も沸いてくるんだから、ちゃんと虫除けでもしときなよ」

「？ 突拍子なさすぎませんか？」


まだ5月なのに、蚊の話をするのは早すぎる気もするが。至さんはもう血を吸われたのかも知れないな。

よくわかんないけど、
AB型の血って美味しそうだもんね。知らんけど。



「…A。さっさと卵割る。
オレ、お腹空いたんだけど」

「レンジの前に立たなくても生卵そのまんま入れることはないから安心してくだせぇ姐キ……」


なんか暇な人が集ってきたんだけど、そんなに今日の夜ご飯危ぶまれてるの？？


「卵料理はちゃんと大得意だから安心してください！！」





＿＿……それは、別に心配してねぇんだわ。

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