152話。 ページ19
・
「行ってきます!」
__最近、ヤツは寮を出ることが多くなった。
「Aさん買い物に行ったんですかね……?」
「買い物にしては毎日外出しすぎじゃないか……?」
「一応不幸女だし、不幸とっ
話題は世話役のアイツだ。
始めこそ今より俺たちに手一杯掛けてくれたが、今になれば逆に世話されてるほうの世話係だが。
話題にされすぎてくしゃみでもしてろ。
「どうしたの?皆」
「監督」
監督の後ろには左京さんが着いて、どうやら次の公演について話し合ってるようだった。
「Aの話をしてた」
「ああ。Aちゃんがどうかした?」
「最近、妙に寮を空けるなぁと思って」
「あぁ、アルバイト始めたらしいよ」
「アルバイト……?」
まぁ会社員と劇団員を兼ねたやつや、学生と劇団員と衣装係を兼ねたやつがいるような劇団だ。
兼業としてはヨシとされているのだろう。
でもなぜか、気に食わない。
「なんでアイツは……」
「今はね、劇団でタダ働きしてもらってるようなものだから。お金が欲しくなったんだって」
「あいつにはわざわざ外に出てかなくても尽くしてもらってる分は払うって言ったんだが、頑なに断られてな」
「そんな素振りないように見えたけど……。
A、お金に困ってるの?」
幸がすかさず監督に訊いた。
「んー。詳しいことは私にもわからない。
帰ってきてから訊くでもいいけど、気になるなら、このカフェでアルバイトしてるらしいから行ってみたらどうかな?」
監督が取りだしたのは、アルバイト先であると思われるカフェの広告。
確かに、下の方に『従業員募集』の文字があった。
「ここって、知る人ぞ知るブックカフェだって紬さんが言ってました……!」
「へぇ……。カフェ通はなんでも知ってるのな」
「なんでも、植えてあるお花が可愛らしいみたいだよ」
「ブックカフェならオレも気になる」
なんで行く気になってソワってんだ。
「ポンコツ行かないなら置いてくだけだけど」
「行かないとは言ってないだろ!」
「じゃあ決定だね……!」
この3人での行動もなかなか珍しい。
そして左京さんがアイツを気遣っての一言。
「アイツが入ってる時間は、あんまり来られたくないんじゃないか」
「まぁまぁ!彼女も、来店してねって言ってましたし大丈夫だと思います!」
監督の返しで覆るほど、Aの序列は低いのか。そういうノリかわからないが、少しだけ可哀想に思えた。
1332人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
はゆー(プロフ) - ゆーなさん» お久しぶりです、、!長らくお待たせ致しまして大変申し訳ございません。3部の尊さとスランプと、両方と戦っておりました...。これからも折々で更新するかと思いますので飽きるところまでお付き合いくださると幸いです(TT)!! (2020年7月27日 0時) (レス) id: bdd67fba7b (このIDを非表示/違反報告)
ゆーな(プロフ) - わあああ!!!更新ありがとうございます、、!!!!莇くんもめちゃめちゃよかったです可愛かったですありがとうございました、、、(;;)番外編もとても素敵で面白いお話でした、!!これからも作者様のペースで無理せず頑張ってください!応援してます!! (2020年7月26日 21時) (レス) id: 405bb7cf7a (このIDを非表示/違反報告)
はゆー(プロフ) - ゆーなさん» >>彼の良さを最大限引き出せるような文章を書けるよう語彙力の修行に行ってきたいと思います。探さないでください(?) と言いながら、私も文字数制限をぶち破ってしまいました。作者としても、やはり屈したくないです(抗うな)どうぞ、これからもよろしくお願いします! (2020年4月23日 0時) (レス) id: bdd67fba7b (このIDを非表示/違反報告)
はゆー(プロフ) - ゆーなさん» ゆーな様!お久しぶりです!コメントありがとうございます(;;)私のこと甘々に甘やかしてくださるお言葉をたくさん、、!個人的には受験で更新できなかった分を取り戻そうとしております(笑)がんばります(泣)莇くんあまり出してあげられてない印象です、、! (2020年4月23日 0時) (レス) id: bdd67fba7b (このIDを非表示/違反報告)
ゆーな(プロフ) - 連投すみません;;文字数制限のため文章少しおかしいです。ちょっくら文字数制限恨んできます( (2020年4月21日 1時) (レス) id: 405bb7cf7a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:はゆー | 作成日時:2019年5月26日 21時