【現パロ】さようなら、また明日。【刀剣乱舞】 (ページ3)

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弍話ページ3

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いつの間にか転寝(うたたね)してしまっていたらしい。
看護師さんに起こされて病室に戻る。
昼食を食べ、再びやることもなくなってしまった俺は、また図書室に行く気にもなれず
とりあえず病室のベッドに座ってぼーっとするのであった。

＊＊＊

からからから、ドアの音を立てて診断室から出る。
以上は特に見られなかった。
進歩も、特になかった。

折れた足の骨がちょっとくっついたくらいだ。
小さな傷は俺が目覚める前にほとんど治りかけていたようで、今はその小さな治りかけが無性に痒い。

そう言えば、先生には中庭くらいなら自由に散歩してもいいと言われていた。
何か記憶を思い出すいいものがあるかもしれないと、俺は松葉杖をつき中庭に向かった。

＊＊＊

着きはしたが特に“いいもの”がある訳ではなかった。
大体そんなふんわりやんわりした表現では最初から記憶を探すつもりなどないと言っているようなものではないか。

それでも気分転換にはなったな、と石段に座り込んだ時。
広めの芝生の上で子供たちが元気に駆け回っているのが見えた。

そして、

ふと、誰かが隣に座ったのだ。
何だか頭が痛い。

「こんにちは、お散歩ですか？」

女性...いや、少女だ。

「...そうですね、散歩です」

「そうなんですね」

その少女は青い子花柄のワンピースを着て、麦わら帽子を被っていた。
白いサンダルはいつの間に脱いだのか、今座っている一つ下の段に散らかされている。

「私は今入院中で、お見舞いに来た弟達を眺めているところです」

「そうですか...」

「はい。私は長谷部先生より年下なので、どうか気は使わないでくださいね」

「...ああ」

なぜだか、馴れ馴れしいだとかは思えない。
不思議な感覚だった。