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我がポートマフィア首領室から眺められる広大な青空の光景と遜色ない景色が目に入る。
しかし矢張り違うのは見慣れた景色とは違いこの窓ガラスから真っ先に見えるのは我らがポートマフィアビルだという所だろう。
「真逆ポートマフィアにこんな麗しいレディが居るなんてね」
『私はあまり表に出ませんのでご存知ないのも致し方ない事かと』
目の前で愉快そうに口を歪める男の前で痛みで顔が歪みそうなのを必死に堪える。
私は組合の団地を務めていたフランシス・スコット・フィッツジェラルド氏の元に来ていた。
白鯨との闘い以後、一時期行方が知らぬ所にあったが屈指のセキュリティ会社の代表の座まで登り詰める迄に至った男。
横浜を害そうとした、正直相容れぬ相手だがこうも危機的状況では私情を挟む訳にもいくまい。
「では、そんなお嬢さんが何用で私の元へ?」
『長々しい話は無しでいきましょう。ここに、1億$があります。
先の白鯨戦の裏を引いていた男…ドストエフスキーの行方を探して頂きたい』
「ほぉ…?」
机の上にドンッ、とアタッシュケースを置いた。
フランシスの目が細められる。
「敵対していた私の力を借りたい程ポートマフィアは追い詰められているという訳か」
心底楽しげに笑う男に殴り掛かりたくなる衝動を抑え笑みを浮かべた。
『ええ、悲しい事に』
「断るとは考えないのか?態々自らが不利的状況下に居ると腹も知れぬ相手に教えても?」
『組合の4割方の資産…溝鼠に見事かっ攫われたようですねぇ。
それだけでは無い、ドストエフスキーに貴方は尽く面子を潰された覚えがあるはず』
「…」
それに…と言葉を続ける。
『たかが不利的状況にあった程度で今の貴方に倒される程ポートマフィアは軟弱ではないと言う事をお忘れなく』
ジャラジャラと袋から乱雑に出された宝石達が机の上に埋め尽くされる。
「ふふ…はははは!!」
その様子を唖然と見つめ、急に笑い出したフランシスに口元は笑顔をキープしつつ睨みささんばかりに目を細めた。
「いいだろう!失った金に興味はないが、盗人を野放しにするのも気分が悪い!」
『賢い判断、ありがとうございます』
ハハハハ!と何が楽しいのか爆笑するフランシスに合わないなぁと目が遠くなっていった。
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麗(プロフ) - 更新されるの楽しみに待っています! (2021年6月11日 12時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
琥珀恋歌(プロフ) - ずーっと繰り返して読んでいます!とても面白いです!もう更新はされないのでしょうか?更新されることを願っています! (2021年4月18日 0時) (レス) id: 7cd883aad7 (このIDを非表示/違反報告)
黒翔(プロフ) - これまでの夢小説とは一味違っていてとても面白いです。もう更新はされないのでしょうか? (2020年3月25日 9時) (レス) id: cd3e9475c4 (このIDを非表示/違反報告)
ユウリ(プロフ) - 螺旋さん» 楽しんでもらえて嬉しいです〜(^^)布教も兼ねての作品なのでこういう作品が増えてくれると最高です推し最強説よ流れろ〜〜 (2019年10月19日 15時) (レス) id: 7b452ad7ad (このIDを非表示/違反報告)
螺旋 - 読んでてめっさ楽しいです!!自分も夢主と似たような感じなので(笑)こういう夢小説が少ないので嬉しいです!増えろぉぉお!! (2019年10月9日 23時) (レス) id: db579f6a09 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユウリ | 作成日時:2019年10月5日 12時