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ヨコハマの裏を牛耳るポートマフィアと呼ばれる組織の構成員の数は多い。
然しながらその実、構成員の殆どが武闘派達でポートマフィア内で事務処理、経理等の人員は常に不足している。
地味な事務作業より、危険はあるが上へ登りやすく危険故に与えられる給金は高くなる実働部隊の方へ行くのは自然の摂理だろう。
先代の頃に優秀な事務員は居たようだが、その殆どが現首領たる森さんに解雇を言い渡されている
「主な事務処理は昔っからA任せだもんねぇ、森さんは」
『海外出張の時は地獄だったよ。現地での調査もしつつ、本部から仕事は変わらず来るからもう〜』
オール徹夜なんて当たり前。
一時も休めない事務仕事に肩や腰は悲鳴を上げ、エナジードリンクはお友達だ。
唯一の癒しは、デスク一杯に貼り付けた治君の写真である。
推しの力は偉大だ。
「そりゃ大変だ」
『嗚呼、治君は分かってくれるんだね…天使』
もぐもぐとケェキを頬張る治君ににへらと口が緩む。
推しが可愛い、最高…
パシャリ、と流れる作業でカメラを作動させた。
「ん?」
もぐもぐの治君を写真に収める。
『そろそろ仕事が迫ってるから戻らないと…』
「ねえ、待って。今写真撮ったでしょ」
『またね、治君…!』
名残惜しい!
今度は休日に会おう。そしたら1日治君を、見つめられる。
ご馳走様でした、とマスターに会釈をして喫茶店うずまきを出た。
「音がなかったら気が付かなかった…又、盗撮技術が上がったなァ、あの子」
◇◆◇
探偵社にて、泣き始めた新入社員たる敦をいびり始めた国木田がふと、辺りを見渡す。
「どうしたんですか、国木田さん?」
「依頼人がいない…」
その言葉に与謝野も周りを見るが確かに太宰に貢いでいたと豪語した女性が居なくなっていた。
「何処に行ってしまったんですかね〜?」
そんな様子の探偵社をクルクルと椅子を回し一瞥した乱歩が呆れたように口を開いた。
「馬鹿だねェ、全く!」
「乱歩さん、何か知ってるのかい?」
「あの依頼人、太宰が探偵社員だって知ってて態々依頼しに来たんだよ」
ついでに言うと、今うずまきで楽しくお茶会だ、と言う乱歩にはぁ!?と国木田が叫んだ。
「なんの為に…」
「確認の為だろうね」
「確認?」
乱歩がそっと目を開く。
「探偵社が太宰を置いておくに足るのかどうかのだよ!」
ふんっと鼻を鳴らして全く、つまらない!と乱歩は腕を組んだ
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ユウリ(プロフ) - ねころさん» 個人的に私もそこ大好きなので(自画自賛)同じ人が居て嬉しいです〜(^^)祝日の間にあと一、二話更新出来たらなぁと思います (2019年9月16日 7時) (レス) id: 7b452ad7ad (このIDを非表示/違反報告)
ユウリ(プロフ) - 神皇音雅樂さん» 指摘ありがとうございます!深夜テンションで書いていたので全く読み返した時と分かりませんでした……ストーキング夢主をこれからもどうぞよろしくお願いします(( (2019年9月16日 7時) (レス) id: 7b452ad7ad (このIDを非表示/違反報告)
神皇音雅樂(プロフ) - 夢主の太宰への一途さが可愛すぎます。これからも更新頑張ってください。あと、32話の"人の話"が"人な話"に、"首領の話"が"首領の話し"になっています。訂正お願いします。 (2019年9月16日 7時) (レス) id: d0313e3af1 (このIDを非表示/違反報告)
ねころ(プロフ) - 潔い…しゅき…のところが好きすぎて見返しては頬が緩むのを感じます。更新楽しみにさせて頂いております。 (2019年9月16日 0時) (レス) id: ef39eb690c (このIDを非表示/違反報告)
ユウリ(プロフ) - コメントありがとうございます!応援して頂けると本当に励みになりますm(_ _)m (2019年9月10日 18時) (レス) id: 7b452ad7ad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユウリ | 作成日時:2019年8月12日 13時