【文豪ストレイドッグス】太宰治に貢ぎたい

37【三者鼎立編後小話】 ページ39

｢そういえば今回の有給よく森さんが許したね」

白鯨やら何やらで慌ただしいでしょ？と尋ねる治君に私は笑みを携えた。

『ええ、まあ。私が全ての負担を受け持つと宣言したので首領には自由にさせてもやってるんですよ』

「それはまあ、太っ腹だね」

今回の有給はそれを引き換えに？と尋ねる治君にいいえ、と私は首を降った。


『後日…楽しみにしててね治君！きっと、心の底から楽しめると思うよ？私も、治君も』


「へぇ…それは、楽しみだな」


うふふふ、と治君と私の微笑みが重なった。



◇◆◇



『首領〜？どうされたんですか？ささ、どうぞお食べ下さいな！』


目の前に並べられた大量の料理を前に、首領の表情は浮かばない。
此処に並べられた料理は全て最高級の料亭のものばかりだ。

「A君…申し訳ないが、これは遠慮して…」

『お願い、聞いてくださるんでしょう？』

「……」


沈黙。
嫌がる首領の顔は真っ青で、目の前に並べられるナマモノ(・・・・)達を睨み付けた。

『ほらこのお刺身！食べた瞬間口の中で蕩けるようですよ〜ほらほら』

「A君！
今回の件は君は全く関与しなくて構わない！私が全て終わらせよう、さあ！この食事会は終了だ。料金も全て私が持つから皆で食べなさい」

『え？もう終わらせました』

「…早くないかい？」

『白鯨の被害は想定内でしたので事前準備をして3時間足らずで全ての指示をし終わりました。

Ｑの件は被害が出た後迅速に対応したので殆ど余ってませんでしたし…』

何か、問題が？と微笑む。
逃げ場はないぞ、首領。本当ならこんな嫌がらせしない予定だったがこの前の治君の件で堪忍袋の緒が切れた。

恨むなら、私を怒らせた過去の自分を恨むんですね！
ポートマフィアの害にならずに貴方が最も嫌がる事をする事なんて容易いんです。


『嗚呼、でもナマモノだけは飽きてしまいますよね…これも、食べてください』


これは私の手作りですよ？と1つの皿を差し出す。


「こ、これは…」


『鯖の味噌煮(・・・・・)…首領、大好きでしょう？？』



首領の顔が真っ青を通り越して土色へ変わる。


「自業自得よ、リンタロウ！」

「そ、そんなぁ〜」



エリス嬢の最後のトドメに首領はガックリこう垂れる。


因みに、この一部始終は動画にして治君に送った。
腹が捩れるかと思った、と治君から言われてでしょう？と私は笑った。



治君も喜んで私も楽しい一石二鳥とはこの事よ！

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