36【三社鼎立編…完】 ページ38
その日、探偵社では泉鏡花の入社祝いの祝杯を上げていた。
穏やかに過ぎていく楽しき時間に嵐が来たのは組合に属していたエドガー・アラン・ポーが訪問して暫く経った後のこと。
『おっさむく〜ん!』
何処かで聞いたことのある女性の声に敦は声の聞こえた扉を見た。
彼女は、そこに居た。
穏やかな笑みしか見ていなかった顔には笑みを緩ませデレデレといつかの白衣の男性が少女に向けていた表情に似たものを浮かべた女性が立っている。
「あれ、来たの」
「なっ、なっ…何故ポートマフィアがここに来る!!?」
本当に来たんだね〜と緩く笑う太宰と対照的に国木田はパクパクと口を開き有り得ないものを見たとばかりの表情で叫んだ。
『酷い!組合の人間は良いのにポートマフィアは駄目なんて…およよ、私…ショックです』
何処か巫山戯た様な振りに、敦は太宰を重ねた。
ーー何だろう、似てる…?というか、知り合い??ポートマフィアって??
『それに、此処に来る為の許可は取りましたよ?』
「許可ぁ?…太宰、お前にそんな権限があると…」
「私じゃないよ」
では、誰が?周りが頭を傾げる。
「私が、許可をした」
その声に、探偵社一同が絶句した。
◇◆◇
『福沢さん、今日はありがとう御座いました』
治君に引っ付きながら福沢さんに視線を向ける。
うむ、と彼は頷いた。
「社長!何故、ポートマフィアを…」
「Aは唯太宰と会いたいとだけを願っていた為、無害と判断した」
『危害を加える気はありません!それに、私は今回有給を使って此処に来てますからポートマフィアは関係ないかと』
ビバ有給。
素晴らしきかな〜有給制度。
『それで、どうでした?私お勧めの猫カフェは』
「……うむ、」
『三毛猫、多かったでしょう?』
「…ああ」
『偶にはカフェもおつですものね〜』
そうだな…と福沢さんは静かに頷くと私から離れていく。
今回、交渉材料に用意したのはとある猫カフェの存在。入り組んだ所に在する店の場所である。
三毛猫が看板猫の福沢さんが大変好みそうなカフェ。
反応からして、満足して頂けたらしい。
「しゃ…社長…」
少し恥ずかしいのかほんのり頬を赤らめた福沢さんにうんうんと私は頷く。
大好きな物の為なら多少融通は効かせるのは当たり前。わかる〜。
『あ!治君、次の休みの日出掛けない?約束通り寿司屋に行きましょう!』
ーー嗚呼、これでやっと落ち着いて治君に貢げる!
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ユウリ(プロフ) - ねころさん» 個人的に私もそこ大好きなので(自画自賛)同じ人が居て嬉しいです〜(^^)祝日の間にあと一、二話更新出来たらなぁと思います (2019年9月16日 7時) (レス) id: 7b452ad7ad (このIDを非表示/違反報告)
ユウリ(プロフ) - 神皇音雅樂さん» 指摘ありがとうございます!深夜テンションで書いていたので全く読み返した時と分かりませんでした……ストーキング夢主をこれからもどうぞよろしくお願いします(( (2019年9月16日 7時) (レス) id: 7b452ad7ad (このIDを非表示/違反報告)
神皇音雅樂(プロフ) - 夢主の太宰への一途さが可愛すぎます。これからも更新頑張ってください。あと、32話の"人の話"が"人な話"に、"首領の話"が"首領の話し"になっています。訂正お願いします。 (2019年9月16日 7時) (レス) id: d0313e3af1 (このIDを非表示/違反報告)
ねころ(プロフ) - 潔い…しゅき…のところが好きすぎて見返しては頬が緩むのを感じます。更新楽しみにさせて頂いております。 (2019年9月16日 0時) (レス) id: ef39eb690c (このIDを非表示/違反報告)
ユウリ(プロフ) - コメントありがとうございます!応援して頂けると本当に励みになりますm(_ _)m (2019年9月10日 18時) (レス) id: 7b452ad7ad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユウリ | 作成日時:2019年8月12日 13時