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『首領、探偵社からお茶会のお誘いが来てますよ』
何やら話し込む2人の背から、私は話し掛ける。
「茶会ィ?」
中原君から怪訝そうな声が聞こえ、首領は肩を竦めた。
『どうやら、一時休戦…あわよくば共同戦線を結びたいようですね』
その証拠に、捕虜として捕まっていた紅葉幹部は戻って来たでしょう?
その言葉を聞いた首領はなる程ね、と笑みを深める。
「随分とあまっちょろい連中なんスね」
『福沢さんだしね。
まあ、今回のこの申し出は多分新入社員君じゃないかな?こんな事了承する人も人だけど』
「探偵社の社長…Aさんは会ったことあるんですか」
『あるよ〜昔だけど』
首領が未だ森先生であった頃、時折診察所に赴いて来た福沢さんに何度か会った事がある。
10歳足らずの私がにこやかにお茶請けの用意をすると毎度複雑そうな面持ちで此方を見ていたのが良い記憶だ。
『そ、れ、で〜!私、付いて行っても良いですよねっ首領』
語尾にはハートマークが付きそうな勢いで私は首領を見上げる。
「今日の仕事はどうしたんだい?」
『終わらせました』
その言葉に、中原君がギョッとこちらを見た。
え…何、その反応。酷くない?
「アレを終わらせたんすか…」
「いやあ、海外赴任で優秀さが磨きかかってないかい?嬉しい誤算だよ」
『ふふ、あの地獄に比べればあの程度朝飯前です』
2人もやってみれば分かるさ。
どれ程やっても処理するスピードより仕事が舞い込むスピードの方が早いという地獄。
それに比べれば本社へ舞い込む仕事は量は多いものの滅多な事がなければ一定以上の仕事量は超えない。
何より優秀な部下達が居てくれるお陰で仕事の分割も出来るし万々歳である。
『私が行っても構わないでしょう?』
「問題は、ないね」
首領の了承の言葉に、
俺も行きます!と意気込む中原君の提案は却下された。
これ以上無い程の護衛だが、中原君に行かれると話が拗れそう。
だって、二人共会ったら即喧嘩なんだもの。
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ユウリ(プロフ) - ねころさん» 個人的に私もそこ大好きなので(自画自賛)同じ人が居て嬉しいです〜(^^)祝日の間にあと一、二話更新出来たらなぁと思います (2019年9月16日 7時) (レス) id: 7b452ad7ad (このIDを非表示/違反報告)
ユウリ(プロフ) - 神皇音雅樂さん» 指摘ありがとうございます!深夜テンションで書いていたので全く読み返した時と分かりませんでした……ストーキング夢主をこれからもどうぞよろしくお願いします(( (2019年9月16日 7時) (レス) id: 7b452ad7ad (このIDを非表示/違反報告)
神皇音雅樂(プロフ) - 夢主の太宰への一途さが可愛すぎます。これからも更新頑張ってください。あと、32話の"人の話"が"人な話"に、"首領の話"が"首領の話し"になっています。訂正お願いします。 (2019年9月16日 7時) (レス) id: d0313e3af1 (このIDを非表示/違反報告)
ねころ(プロフ) - 潔い…しゅき…のところが好きすぎて見返しては頬が緩むのを感じます。更新楽しみにさせて頂いております。 (2019年9月16日 0時) (レス) id: ef39eb690c (このIDを非表示/違反報告)
ユウリ(プロフ) - コメントありがとうございます!応援して頂けると本当に励みになりますm(_ _)m (2019年9月10日 18時) (レス) id: 7b452ad7ad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユウリ | 作成日時:2019年8月12日 13時