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中原君が私を待ち苛立っているのなら戻らなくては、一介の事務員達が怯えて仕事所では無いだろう。
『治君、一応首領から言伝。「幹部に戻る勧誘話は未だ生きているからね」だってさ』
「はは、私をポートマフィアから追い出したのは森さんだろう?」
『怖かったんだよ、あの人も。
かつて自身が先代の首を斬ったように自分もまた、治君に殺されるかもしれない未来を』
治君の底は知れない。
そんな所がとっても素敵で私は大好きなのだけれど首領はそうもいかないらしい。
『又ね、治君!
…並びに探偵社の方々、どうぞ此度の闘い精々奮闘して下さいませ』
「言われずとも」
「今度は回らない寿司が食べたいなぁ蟹寿司!」
『任せて治君っ』
頭の中でこの諍いの終着点は決まった。
後は、今後のズレの修正とその為の人員配置のみ。
全部終わったら、治君を横浜一美味しい寿司屋へ連れて行こう。そうしよう。
◇◆◇
「Aさん…太宰は探偵社です」
『うん、知ってる』
嗚呼、悲しいのか嬉しいのか治君は今や光の世界の存在。
推しが光り輝いている。やっぱり嬉しい。最高。
「昔とは違うんすよ」
『違うねぇ、会える機会が減ったもの』
「抑、会うこと自体可笑しいじゃないですか!」
『でも首領は許可してくれてるよ』
その言葉に中原君はうぐっと詰まる。
まあ、言いたいことは分かる。
ポートマフィア幹部として、その指摘はご最も。
でも此方には首領が付いてんだぜイェイ。
『それに、ほら。今回はアレだけど。
私殆どプライベートで会ってるし中原君にはあんまし関係ないよね?』
「か、関係は…な、い…ですけど」
関係ないと言われ傷付いたのか中原君はよろっと後ろへ後退した。
『じゃあこの話終了。仕事戻りましょう幹部殿』
「〜〜ッッAさん、俺は…!」
『今夜、治君が夢野久作奪還へ向かいます』
その言葉に、中原君の表情が変わる。
よしよし、そうだね〜仕事優先だよね〜。
『中原君にはその補助をして貰おうかと思ってます』
「太宰と一緒に…ですか」
『一夜限りの双黒復活!いやあ、格好良いねぇ』
主に治君が。でも私、そこん所空気が読めるので言いません。
『頑張ってね、中原君!応援してる』
ぎゅ、と中原君の手を両手で包み万遍の笑みを浮かべた。
「……、うす」
チョロい。
この子、私がハニートラップ仕掛けたら何でも言う事聞いてしまうじゃないか心配になるくらいチョロいぞ。
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ユウリ(プロフ) - ねころさん» 個人的に私もそこ大好きなので(自画自賛)同じ人が居て嬉しいです〜(^^)祝日の間にあと一、二話更新出来たらなぁと思います (2019年9月16日 7時) (レス) id: 7b452ad7ad (このIDを非表示/違反報告)
ユウリ(プロフ) - 神皇音雅樂さん» 指摘ありがとうございます!深夜テンションで書いていたので全く読み返した時と分かりませんでした……ストーキング夢主をこれからもどうぞよろしくお願いします(( (2019年9月16日 7時) (レス) id: 7b452ad7ad (このIDを非表示/違反報告)
神皇音雅樂(プロフ) - 夢主の太宰への一途さが可愛すぎます。これからも更新頑張ってください。あと、32話の"人の話"が"人な話"に、"首領の話"が"首領の話し"になっています。訂正お願いします。 (2019年9月16日 7時) (レス) id: d0313e3af1 (このIDを非表示/違反報告)
ねころ(プロフ) - 潔い…しゅき…のところが好きすぎて見返しては頬が緩むのを感じます。更新楽しみにさせて頂いております。 (2019年9月16日 0時) (レス) id: ef39eb690c (このIDを非表示/違反報告)
ユウリ(プロフ) - コメントありがとうございます!応援して頂けると本当に励みになりますm(_ _)m (2019年9月10日 18時) (レス) id: 7b452ad7ad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユウリ | 作成日時:2019年8月12日 13時