もう、離してください

丗壱 ページ35

し「さぁこれで薬は塗り終わりましたよ。あとは安静にしていてください」

『あの、任務はどうすればいいですか？』

煉「俺がお館様に3日ほど休みにするように伝えておこう！」

み、3日！？

『そんなに休み頂かなくて大丈夫です！』

し「でも結構酷い傷ですし……私としては安静にして欲しいので…煉獄さんお願い出来ますか？」

煉「うむ！任せておけ！」

『いや！ほんとに大丈夫ですから！』

こんなことでへばってちゃいけない
私がこうしている間にも鬼に襲われている人はいる

『任務に行かないと……』

煉「A」

『は…はい』

煉「動くな、待機命令」

『……ｯ!……………わかりました』

私がこれ以上言い返してこないとわかったからか煉獄さんはいつもの笑顔を貼り付けた

煉「そういえばA、もうそろそろあいつが来ると思うぞ！」

『あいつ？』

聞き返すと同時にものすごい勢いで病室の扉が開かれた

煉獄さんの口から答えを聞く前にその人は現れ、私の姿を見るやいなや心配の声をかけてくれた

宇「A！！任務で大怪我したって聞いたぞ！大丈夫なのか！？」

『て、天元様！』

心の底からホッとした

今まさに会いたかった人

煉獄さんといるとどうしても神経をすり減らしてしまうから

本当に本当に安心する

宇「うおっ…そ、そんなに嫌だったか!?」

『違うんです………あんしん…してるんです……』

自分の頭に置かれた大きな手が
これほどまでに自分の心を落ち着ける効果がある事を今日初めて知った

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