もう、離してください

拾伍 ページ18

鬼を倒し外に出る

すると炭治郎が急に走り出した

『ちょ、炭治郎！？』

急いであとを追いかける

扉を開けて入ってきた景色は






木箱を抱えた善逸が猪頭に蹴られていたところだった







猪「刀を抜いて戦え！！この弱味噌がァ！」

善「炭治郎………おれ…まもったよ…お前が…これ…命よりも…大切なものだって…いってたから……」


ちょっと待って
私あんな子知らないよ？
顔中血でぐしゃぐしゃになりながら護ってる
あれだけ屋敷で泣き叫んでいたのに？
本当に善逸？
友達のためにあんなになって護るなんて…


そんなことより

無性に腹が立つ

そんなに人を殴って楽しいのか

あの猪頭は



炭治郎が何か言いたそうにしていたけど、私は気にしないで進む


『あの』


猪「あぁ？ンだ？テメェ」


『離れてもらえません？』


猪「あぁ！？なんでテメェに命令なんかされなきゃいけねぇんだよ！！」


あーもう無理、まじで腹たってきた

まだ会ったばっかで酷いこと言うと思うけどさ、確かに泣き虫でうるさいかもしれないよ実際そう思ったし

でもそれでも勇気出して必死に人の大事なもの護ってんだぞ

そんな事もわかんないのか、コイツは


『離れろって言ってんのが聞こえ無いの？』


言うことを聞きそうにない猪に私は近づいて天元様がそうするように殺気を出しまくる
にこりとした笑顔で


『そこ、邪魔なの。お前に善逸を殴る資格は無い。殴りたければ私を相手にしてみろよ』


思わず口が悪くなってしまった
別に普段から丁寧にとか思ってる訳じゃないけどある程度は普通にしてたのにね


殺気にビビったのか大人しくなった

そんなになるなら最初から大人しくしてろよ

取り敢えず善逸が助かったようで良かった


『大丈夫？』


善「う、う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁん！！Aぢゃぁぁん…怖かったよぉぉだずげでぐれてありがとぉぉ」


うん、一瞬でもかっこいいと思った私が馬鹿でした


炭「善逸…助けてやれなくてすまない……俺が不甲斐ないばかりに…」

善「うぅん大丈夫。炭治郎だってそういう時ぐらいあるよ」

炭治郎が何も出来なかったっていうのは違うね
私がその役目を奪い取っちゃっただけなんだよ
あんまりにも腹たってさ



『それより』


『屋敷の中の人たち早く埋葬してあげよう』


炭「そうだな」

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