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「で、誰よその人」
未だにランサーの前に立って彼女らから遠ざけようとしていた
「可愛い抵抗だね、君のマスターちゃん」
「ああ、可愛いモンだろ」
少し面白いものを見た、というような様子で彼女はにこにこしていた
彼女は懐かしくも思ったのかもしれない
「残念ながらそのイケメンは諦めよう。私にはあいつがいるから」
自分のことについて喋っているとは思ってもいないので名探偵は周りの人骨のサンプルを興味深そうに眺めていた
彼女の言葉を聞いた時ランサーのマスター、もといロアは名探偵を初めて見つけたようだった
そして顔がぱあ、と分かりやすく喜んだ
「わ、あなたもうそういう人がいるんだ」
よかった、と言わなくてもわかった
「ってことだから君の邪魔はしないよ」
ロアは目を見開いた
そしてサササッと彼女の近くに来て、小声で話しかけてきた
「え?なんで分かったの?」
「分かりやすいがすぎるでしょうに…」
多分ランサーの方も分かっているだろう、という言葉は飲み込んだ
言えば花がなくなる
面白みがないではないか
それに彼のほうも理解してこそのあの態度なのだ
心まで読めるわけではないのでこれは彼女お得意の“女の勘”でしかないのだが
「ねえ、私達うまくいけそうじゃない?仲良くしてよ」
「勿論!あのオジサンを狙ってないなら味方も同然だよ!」
ロアは先程の敵を見るような目とはうってかわって
かわいらしい女の子になっていた
彼女は心のなかで名探偵に感謝した
彼女からは友達という感情しかなかったのだ
まあロアに嘘は言っていないのだ
名探偵に向かっての色恋なんてのは言っていないし
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はやみん(プロフ) - 哀楽さん» 面白かったです!作ってくれてありがとうございます! (2019年3月29日 8時) (レス) id: 85277bc3a9 (このIDを非表示/違反報告)
哀楽(プロフ) - はやみんさん» ありがとうございます!これからも少しずつですが更新していこうと思います (2019年3月16日 2時) (レス) id: 323c3ce1b6 (このIDを非表示/違反報告)
はやみん(プロフ) - 面白かったです! (2019年3月15日 20時) (レス) id: 85277bc3a9 (このIDを非表示/違反報告)
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