13品目:過去と常連たち ページ15
Noside
「なんでお前を拾ったかぁ?」
先日の雨の中で拾った青年に問われた中年の男は「はぁ?」とでも言いたげに言葉を反復した
「...こんな、いかにも札つきに見えるやつなんて...あの場で野垂れ死なせとけばよかったんじゃないか」
「なにふざけたこと言ってんだ」ビシッ
「痛っ」
青年の頭にチョップを決めた中年の男は完全に呆れた目をして青年を見た
「あのな、どんなやつだってそう簡単にくたばっていい理由はねぇんだよ。例えどんな連続殺人犯でも、汚職政治家でもな」
「...例え、おかしくない?」
「うるせぇ、いいから二度とふざけたこと言うんじゃねぇぞーーーーー柘榴」
『.....』
「返事しやがれ」ビシッ
『あいたっ』
ーーーーー
柘榴side
ミーンミンミンミンミーン...
『う〜〜る〜〜せ〜〜...』
夏の風物詩だかなんだか知らんが少し黙れ。お前らの鳴き声と熱気のせいで気力も体力も奪われてんだよ
「さすがの柘榴ちゃんもぐったりねぇ」
『あぁすみません...ちゃんとします』
「まぁ気持ちはわかるがなぁ、こう暑くちゃ気も滅入るさ」
常連のおじさんたちしかいないときにだれててよかったな...いや客商売としてダメだが
「柘榴さんもっと涼しい格好したら〜?半袖のシャツ着たり、髪もっと高い位置で結んだり〜」
『あ〜そうですね、そうします』
「あとさあとさっそのペンダントも外したら?そういうやつじゃないと熱持って大変だよ?」
『!...それは、できませんね。忠告はありがたいですが』
「え〜?それそんなに大事なの?元カノからのプレゼントとか?」
元カノなんかのものだったら速攻捨てる派だわ俺は。じゃなくて
『...大事な人との、繋がりなんですよ。なのでそう簡単には外せないんです。あと僕に彼女はいたことありません』
「マジ!?じゃああたし立候補しま〜す!」
「あっ抜け駆けずるい!あたしも!」
『アハハ、それはどうも』
.....店長、あんたが残してくれた繋がりがいまの俺を作ってくれている
ほんとに心から感謝してるよ
「柘榴ちゃんお代ここ置いとくよ〜」
『あっはい!』
さて、今日もいつもの挨拶で締めますか
『ご来店ありがとうございました』
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カトレヤ(プロフ) - ハニーさん» すみません、勉強不足でわかりません... (2018年9月24日 21時) (レス) id: e677d34591 (このIDを非表示/違反報告)
ハニー - 海沿いの喫茶店と聞いたら真ッ先に珊瑚礁が出てきます(分かる人にはわかる) (2018年9月24日 21時) (レス) id: f040ea1a18 (このIDを非表示/違反報告)
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