２３振り目:アイデンティティ ページ27
宏介side
パキンッ バキッ...
ベキッ パキィンッ...
暗い、なにも見えない部屋に響く、なにかの折れる音
音からして金属音だ。だけどそんなに簡単に折れるものなんてあるのか...？
カツッ
『？...』
足先になにかがあたり拾い上げれば、それは平たい金属板だった
...ただの金属板じゃない。これは、もしかして
「やめろ、やめてくれ...頼むからもう...！」
『？...誰だ？』
悲痛な声の方へと進めば、見えにくいが誰かが膝を抱えて蹲っていた
この声、本丸に来たばかりのときにも...
「！？待てっよせ！頼むからそいつだけは！！」
体勢を崩し、誰かに懇願するような姿勢になったその存在の言葉はむなしく響き
パキィィィィンッ！
「ああああああああああ！！！」
また、一振りの刀が折れた音が響いた
ーーーーー
舞「ひっく...うぅっ...ぐすっ」
場所は切り替わり、そこは少し忘れかけていた妹の部屋になっていた
カーテンによって日光は遮られ、妹はベッドの上で膝を抱えて泣いていた
舞「お母さんもっ...お兄ちゃんもいなくなっちゃった...！私どうすればいいの...！？」ﾎﾞﾛﾎﾞﾛ
『舞...！』
触れようと手を伸ばしても触れられない。触れることなく通り抜けるだけだ
...泣いている妹の、涙を拭うことすらできないのか俺は...！
「舞」
舞「！お父さん...」
『父さん...！？』
最後に会ったのはあの事故の日、母さんの命日なのに急の仕事が入ったとかで申し訳なさそうに朝俺たちに謝る姿を見たときだ
少し痩せた...？いや、これはやつれた...というべきか
父「...舞。沙織も、宏介も、お前が泣いてばかりいることを望んでない。だが忘れろとも、すぐに立ち直れとも、父さんには言えない」
父「...だからゆっくり、乗り越えていこう。舞は一人じゃない」
舞「！うん、うんっ...！」ﾎﾞﾛﾎﾞﾛ
父さんの腕の中で大泣きする舞を見て察した
「悲しむ生者を救えるのは死者ではなく、生者でしかないのだ」ということを
ーーーーー
朝...
『...夢か』
あの二つの暗い部屋の中でのことは、実際に見てきたかのように思い出すことができる。だけど
『...「宏介としてのアイデンティティ」は消えた.....なら、俺はなんなんだろうな』
どうしようもない虚無感に襲われ、俺はもう一度目を閉じた
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つるじぃ - 私的には1がいいです！頑張って下さい！応援してます (2018年10月17日 22時) (
レス) id: 5141523582 (このIDを非表示/違反報告)
サーヤ＠(プロフ) - うちは2がいいです！ (2018年10月13日 13時) (レス) id: f4753b0a53 (このIDを非表示/違反報告)
レイナ丸(プロフ) - 私はカトレヤさんの思うようにしたらいいと思います！でも、どちらかと言うと1ですね笑 (2018年10月7日 9時) (レス) id: 0d2b714c98 (このIDを非表示/違反報告)
アイチ - 了解です(*｀･ω･)ゞよろしくお願いします(*´▽｀) (2018年10月6日 23時) (レス) id: 216a0586c5 (このIDを非表示/違反報告)
カトレヤ(プロフ) - アイチさん» なるほど！わかりました！解決した頃に書きますね！ (2018年10月6日 23時) (レス) id: cdce025386 (このIDを非表示/違反報告)
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