かっこよくて強くはないけど、誰かは守れる刀剣

１７振り目:腕前 ページ20

宏介side

馬当番の仕事について習って手を洗った後、書物でも読もうかと部屋に帰っていた途中で通ったのは

日「よぉ和泉守じゃねーか」

次「あんたも酒飲んでくかい！」

そう、酒飲みの部屋の前だった

『...あんたらまた飲んでるのか』

日「主がいい酒をくれたからなぁ、飲まなきゃもったいねぇだろ」

『はぁ...燭台切に怒られても知らないからな』

一言断ってスルメをもらうと早足で台所の方へ向かった

...その直後、「また飲んでるのか貴様ら！！」なんて怒鳴り声が後方で聞こえた

ーーーーー
台所...

歌「これは、参ったねぇ」

燭「でもどうにかしないと。今日の夕飯がないよ」

スルメを切るためにキッチンばさみを借りようと台所に入れば之定と燭台切が互いに唸っていた

『...なんかあったのか』

歌「おや、和泉守。どうかしたのかい？」

『いや、酒飲みたちにスルメもらってきたから切って食おうと思って』

なんて言ったら「スルメか、たしかに空腹は和らぐが...」とか言いながら之定は頭を抱えた

『で、どうしたんだ？』

燭「...実はね」

話を聞いてみればいまこの本丸に食料がないらしい

まぁこの人数の食事を作ってればそりゃなくなるだろうが...しかもいまなんか鍛刀キャンペーンとかいうのがやっていて資材不足らしい

それのために出陣をすれば当然腹は減る、しかもいつもより

そして気づいたらすっからかんだったそうだ

『万屋に買いにいけばいいんじゃねぇのか？』

歌「今日は万屋が休みでね...現世に買いに行こうにもその現世に繋がる門は点検中だ。まさに八方塞がり、といったところだ」

『あ〜...そういうことか』

.....あれがあれば作れっかな？

『ーーーなぁ、「ーーー」あるか？』

燭「え？主が好きだからけっこうあるけど...」

歌「なにに使うんだい？」

『...これから教える』




ひさしぶりの料理だな、腕がなる

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