かっこよくて強くはないけど、誰かは守れる刀剣

１６振り目:和泉守と信濃 ページ19

宏介side

結論から言うと知ることはできなかった

コンビニで飲み物を買おうなんて話になったとき、新聞コーナーで日付を確認してすぐにわかったんだ

いまは西暦２２０５年、俺がいたのは２０１８年。ここまで離れていたらたかが大学生の交通事故なんて消えているに決まっている

...舞、お前は...俺の死を受け止めきれたのか...？

信「よっと！」

『！？』

いきなり服の中から信濃が顔を出してきてめちゃくちゃ驚いた

ちなみに俺の服装はファスナーで開け閉めするタイプのパーカーで、少しゆとりのある服だから子ども一人くらいは隙間に入ることができる

信「大丈夫？疲れちゃった？」

『は...？いや、大丈夫だ。問題ない』

ていうかさっきまでアイス買ってるメンバーのとこにいなかったか

信「えー、気づいてないの？和泉守さんすごい暗い顔してるからね？」

！...他人にわかるくらいひどい顔してたのか

信「俺たち短刀は持ち主の懐にいるからね、いろんな表情を見てきたからそのくらいわかるよ」

短刀って鋭いな...

『...少し、思い出してただけだ。昔のことを』

あとは少しでも兄らしくいられたのかとか、俺の死によって人間関係に影響は出なかったのかとか色々と...シスコン？知ってる←

信「...ねぇ和泉守さん。辛い記憶ってそう簡単には消えないかもしれないけどさ」

信「いまだけでも俺たちと一緒に、少しでも楽しく過ごそうよ。そういうこと大事だよ？」


『！...そう、か？』

信「そうそう！」

...気を張り詰めすぎてたのかもな、ずっと

『...ありがとな、信濃』

でもいい加減服の中から出てくれ、服が伸びる←






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カロさんからのリクエストです。いかがでしたでしょうか？

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