５２呪目:残される者 ページ18
夕方... Noside
零「はぁっ...はぁっ...はぁっ...！」
零は一人、泡沫の森を走っていた
仕事はすべてUNDEADの他のメンバーに任せ、なりふり構わずに
一本の電話が、普段は冷静な夜闇の魔王を一人の人間へと変えていた
たった一人の、最愛の存在の死を告げる...残酷な電話が
バァンッ！
沙羅「！？...零さま。来てくれたんですね」
零「はぁ...はぁ...！仕事など放り投げてきたんじゃよ...」
真っ赤に泣き腫らした沙羅の目元を見た零はすでに散々泣いた後だと察した
沙羅「...まるで、眠っているように。揺すれば起きてくれるんじゃないかってくらいに」
零「...そうか。その花は...？」
零は沙羅の手にある太陽のようなオレンジの宝石でできた花を不思議そうに見た。これまで見てきた、千景が吐き出した宝石と似ているように思えたからだ
沙羅「...お兄ちゃんが咲かせた花です。呪いに抵抗して、咲かせた花なんです.....お兄ちゃんは、奥にいます。会ってあげて」
零「.....うむ」
ーーーーー
ガチャッ...
零「！...」
零が抱いた感想は、おおよそ死者に対して抱いてはいけないものだった
西日に照らされ、アメジストのように透き通った紫の花弁を持つ花とノートを胸に抱いて永遠の眠りにつくその姿は
ひどく美しい、ペイルムーンの青白い肌を持ったアンティークドールのようだったのだから
零「...苦しまずに、安らかに逝けたか...？千景」
幸せそうに微笑んで眠る千景の側に座りその額をなでる零は、その瞳に薄く水の膜を張りながらもけして泣くまいと歯を食い縛ってこらえていた
が...その手の紫の花とノートに気づき、二つを手に取った
零「遺書、か...読まぬわけにはいかぬな...」
シンプルなノートを開き、いまだに負の感情を抱かれていると思っている零は「どんな恨み言が書かれているのか」と読みはじめた
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夜桜ナイフ - おォ！そうだったんデスか！謎がとけてスッキリシマした。説明していただきありがトウございまシタ。 (2019年7月31日 9時) (
レス) id: e71f9e4ab9 (このIDを非表示/違反報告)
カトレヤ(プロフ) - 夜桜ナイフさん» 一応主人公が戻ってきてくれたので「お帰り」と言わせたつもりです。わかりにくかったならすみません！ (2019年7月17日 22時) (レス) id: cdce025386 (このIDを非表示/違反報告)
夜桜ナイフ - 何故零は『お帰り』と言ったのですか？すみません僕、理解力が無くて…教えてくれると嬉しいです。 (2019年7月17日 22時) (レス) id: e71f9e4ab9 (このIDを非表示/違反報告)
水花月(プロフ) - 素敵すぎて一気に読んでしまいました。素敵なお話をありがとうございました！そして思わず筆がすすむほどに千景君に惚れました…魅力的な主人公でした(^^) (2019年2月22日 18時) (レス) id: 2c88131c0b (このIDを非表示/違反報告)
ぬん(プロフ) - 完結おめでとうございます！結末が予想外でびっくりしました。これからも他の作品を拝読させていただきます、ありがとうございました。 (2019年1月31日 9時) (レス) id: bc5dc7d709 (このIDを非表示/違反報告)
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