47呪目:泡沫森の幻想主人 ページ13
零side
ザクッザクッザクッザクッ...
零「...静かなところじゃな」
鳥の声も、動物たちのうごめく音もなく、あるのは風の音と我輩が落ち葉を踏みしめる音のみ
...我輩は、なんと寂しい場所へと遠ざけてしまったのか。本当に自分本意で...身勝手じゃった
薫くんは潜在的な部分で千景が我輩のことを「悪く思っていない」と言っていた。それでも...我輩は自身を永遠に許せぬよ
沙羅ちゃんも、表面的には許しておっても心の底では許せぬじゃろう。自分の兄を取り上げ、間接的とはいえ両親を奪い、そしてその兄すら奪われようとしているのじゃから
バササッ...
零「!?...シーツ、か?」
突如風に舞って飛んできた白いシーツを掴み、小さくまとめていたそのときじゃった
三年間ずっと聞きたかった声が、耳を貫いたのは
『すみません!拾ってくれてありがとうございます!』
零「!!」
ひさしぶりに見たそやつは
『...あれ?この辺りじゃ見ない顔ですね。紅葉狩りですか?』
元より白かった顔色はさらに白くなり、三年前と比べてかなり痩せているように見えた
『俺は橘千景。ここからすぐ近くの家に、妹と暮らしてます。あなたは?』ニコッ
だけどその穏やかで、なにもかもを許してしまうような慈悲深い笑顔だけはーーー
零「...朔間。朔間零じゃよ」
48呪目:変わること変わらないこと→←46呪目:少女悪魔の現状
65人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
夜桜ナイフ - おォ!そうだったんデスか!謎がとけてスッキリシマした。説明していただきありがトウございまシタ。 (2019年7月31日 9時) (レス) id: e71f9e4ab9 (このIDを非表示/違反報告)
カトレヤ(プロフ) - 夜桜ナイフさん» 一応主人公が戻ってきてくれたので「お帰り」と言わせたつもりです。わかりにくかったならすみません! (2019年7月17日 22時) (レス) id: cdce025386 (このIDを非表示/違反報告)
夜桜ナイフ - 何故零は『お帰り』と言ったのですか?すみません僕、理解力が無くて…教えてくれると嬉しいです。 (2019年7月17日 22時) (レス) id: e71f9e4ab9 (このIDを非表示/違反報告)
水花月(プロフ) - 素敵すぎて一気に読んでしまいました。素敵なお話をありがとうございました!そして思わず筆がすすむほどに千景君に惚れました…魅力的な主人公でした(^^) (2019年2月22日 18時) (レス) id: 2c88131c0b (このIDを非表示/違反報告)
ぬん(プロフ) - 完結おめでとうございます!結末が予想外でびっくりしました。これからも他の作品を拝読させていただきます、ありがとうございました。 (2019年1月31日 9時) (レス) id: bc5dc7d709 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ