約束は呪いに呪いは祝いに (ページ10)

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８呪目:決着ページ10

屋上... 千景side

『ゴホッゲホッゴホッ！ガハッ！』

カンッコロコロ...

痛い

『ゴフッゴホッゲホッ！』

カランコロン...

苦しい

『う"っ...おえ"ぇぇぇ...！』

ザラザラザラ...！

辛い

『はーーっ！はーーっ...！』

一体なにが悪かったのですか。長時間歌い続けたことですか、それとも神を愚弄し悪魔を誉めそやす歌を歌ったからですか

お生憎さま、私は神など信じていない。私が信じるのは実在しないものを崇める偶像崇拝の類いなどではない

私が信じるのは零さま、あなたただ一人です。あなたとの「約束」が私が信じるものです

『う"っ...！ガハッ！』

コンッカランカラン...

いまや私のまわりには吐き出したさまざまな色の宝石が散らばり、まるでステンドグラスの上にいるかのように錯覚させる

吐き続けたストレスか、意識を失う直前に聞こえた声は自分にとって都合のいいものなのではないかと思ってしまった

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『ん...』

目を覚まして、最初に視界に入ったのはコンクリートの灰色ではなく見慣れた天井でした

...まわりがよく見えない、なにかに囲われているのでしょうか？

零「起きたかえ？千景」

穏やかな、そして機嫌のよさそうな声で呼びかける主人に驚くと同時に察しました

自分がいま寝ているのは、主人の棺桶だということを

『も、申し訳ありません！すぐに起きます！』

零「いいから寝ておかんか...かなりの量の宝石を吐いたな。普通の嘔吐とはちがうがそれでも体力の消耗は激しいじゃろ。しかも準決勝がはじまるまでずっと歌っていたんじゃ、少しくらい休んでも罰はあたらんよ」

『！...ありがとう、ございます』

そういえば、零さまがここにいるということは「DDD」はどうなったのでしょうか？先程の零さまの声音は、とても機嫌のよさそうでしたがもしかして...

『あの、零さま。「DDD」は...』

零「...Trickstarの勝ちじゃ。「革命」は成功したぞい」

成功...！あぁ、これでようやく暗黒が去る。才能が潰されないで済む...本当に、よかった

零「お主の力もあってこその成功じゃよ、千景。ゆっくりおやすみ」

『...その言葉だけで、天にも昇る心地です。零さま』

優しく頭を撫でられ、私はもう一度闇の中に意識を飛ばした