26呪目:主人と執事* ページ31
その夜... 千景side
ない
ないないないないない!!なんでどこにもないんだ!?
どこかに落としたのか...!?あれがそこらの有象無象の手に渡れば巡り巡って面倒なことになる!一体どこに!?
教室、廊下、噴水、空き教室、ガーデンテラス...とにかく今日自分が行った場所へ行き、くまなく探しますがどこにも見あたらない
本当にどこに落としてしまったのでしょうか...!?
『ここにもない...!』
風で飛ばされた可能性も考えてガーデンスペースを探していますがどこにも見あたりません...本当にどこに!?
前から思っていましたがこの学院は探しものをするのには適していませんよほんとに!
「探してんのはこれか〜?千景ちゃん」
『!』
なぜここに...?いつもなら夜に帰国したらホテルに泊まるか家にお帰りになられるのに...!?
おそるおそる振り向けば、設置された東屋...そこには私が探していた封筒を持った零さまが、不機嫌丸出しの表情で私を睨んでいました
『れ、い...さま...?』
零「「なんでここに?」って顔してんなぁ...お前との電話の後に嫌な予感がしたから色々と早めに切り上げて夕方には戻ってきてたんだよ...とりあえずこっち来い、俺様の前までな」
.....不機嫌なときの零さまには逆らってはいけない。それが朔間家使用人の暗黙の了解だ
緊張感を持ちながらゆっくりと近づき、彼を見下ろす形になりました
『あの、零さま...その封筒はどこで...?』
零「あ?帰ってきたときに渉から渡されたんだよ。とんでもない内容だったなぁ...ハハッ」
日々樹さまだったのか...!ということはあのときに...いつの間に!!
スッ...
『え...ガハッ!?』
なにをされたかわからず、一瞬混乱するがすぐにわかりました
私は我が主人の手によって、壁に叩きつけられる形で首を絞められているということに
零さまはその怪力で、腕一本で私を押さえつけながら、封筒で私の頬を叩きながら言いました
零「なに勝手に俺から離れようとしてるんだよ...?俺を裏切るのか?」
その瞳に、言い様のない恐ろしい殺意を宿して
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ぬん(プロフ) - 世界観がとても好きです。更新楽しみにしています! (2019年1月6日 23時) (レス) id: bc5dc7d709 (このIDを非表示/違反報告)
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