４３品目:思い出したこと ページ10
Noside
『おい大丈夫か？』
これは柘榴たち兄弟や弓弦がかつていた民間軍事会社...そこでのかつての記憶
まだ年若い柘榴は弟と弓弦が暮らしている部屋の...二段ベットの下の段にいる存在に声をかける
「大丈夫じゃないぃぃぃ...！なんで俺だけ...！」
『弓弦と雨の中訓練してるからそうなるんだよ。しかもなんで弓弦はピンピンしてるんだ謎にもほどがある』
...いわゆる風邪の看病である。本来なら柘榴もこの日は訓練の予定があったのだが「弟の不始末は自分が」と休んだのだ
『ほら、早く食って直せ。厨房借りて作ったんだから』
「ふぐっ！？...なにこれ？」
『ヨーグルトにハチミツかけたもの。風邪にいいらしいからな』
「...これより兄さんのプリンがいい」
普段見せない甘えに柘榴は驚くが目を細めてその頭を撫でた
『わかった。作ってやるから』
「おい柘榴！ちょっと来てくれ！」
突然同僚に呼ばれ、ため息をついて立ち上がった柘榴は不安そうにする弟の頭をもう一度撫でた
『要件終わらせてプリン作ってくるから、少し我慢な？』
「ん...」
寂しそうにしながらも頷いたのを確認した柘榴はドアを開け、外に出ようと一歩踏み出したところで呼び止められた
「早くね...兄さん」
『わかってるよーーー茨』
ーーーーー
ソルムの二階... 柘榴side
『っ...』ﾊﾟﾁｯ
目を覚ませば、そこは見慣れたソルムの二階...俺の部屋だった
そうだ、思い出した...ずっとずっと、思い出したかったものだ
あの子の名前は茨だ。たった一人の、俺の弟
これのおかげで俺の本当の名字も思い出せた...俺の本名は、七種柘榴だ
いまの名前...神谷柘榴は、名字も思い出せなかった俺に店長がくれて、それで戸籍登録も行われた
行方不明から七年...七種柘榴は、戸籍上はとっくに死んでるだろうからな
『ハハッ...ショックってのも、すごいな』
時間はかかったけど、思い出せたよ。茨
４４品目:心もポカポカ生姜スープ→←４２品目:とろとろフォンダンショコラ
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 134人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
佳乃(プロフ) - とっても面白かったです！完結おめでとうございます！ (2018年10月10日 4時) (
レス) id: e3737ad166 (このIDを非表示/違反報告)
琥珀 - 完結おめでとうございます。すごく面白かったです。また、別の作品が出ましたら、楽しみにしてます。 (2018年10月8日 22時) (レス) id: d2016535f2 (このIDを非表示/違反報告)
まっどさいえんてぃすと（笑）(プロフ) - 完結おめでとうございます。凄く面白かったので、これからも頑張って下さい！別の作品が出たら楽しく拝見させてもらいたいです。 (2018年10月8日 21時) (レス) id: a0f994ede7 (このIDを非表示/違反報告)
カトレヤ(プロフ) - さとうしお*さん» コメントありがとうございます！あったかいお話なんてはじめて言われました...！ (2018年10月8日 19時) (レス) id: cdce025386 (このIDを非表示/違反報告)
さとうしお*(プロフ) - 完結おめでとうございます(*´ω｀*) とっても面白くて､温かいお話でした｡ (2018年10月8日 19時) (レス) id: e621729321 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
