４２品目:とろとろフォンダンショコラ ページ9
柘榴side
『改めまして、ようこそ喫茶ソルムへ。ご注文が決まりましたらお呼びください』
いつもと変わらない挨拶をして厨房に戻る...そこまではよかった
そう、よろけて調理台に思いきり手をつかなければ
『っ...なんなんださっきから...！不衛生なことはなんもしてねぇぞ...！』
新メニュー考えたり、試作品作ったり、食材探すために遠出したりしたくらいだってのに...！(どう考えても寝不足である←)
仕方ない...今日はあの五人が帰ったら店閉めて寝るか...
『ふ〜〜〜...よし』
両頬を叩いて店内に戻ればタイミングがよかったのか黒髪の青年...夏に日の光でグッタリしていた青年が手をあげたのが見えた
『ご注文はお決まりですか？』
零「うむ。我輩にはフォンダンショコラを」
奏「ぼくは「くりーむそーだ」をおねがいします...♪」
渉「寒いのにクリームソーダとは！では私はダージリンとマカロンを♪」
宗「なにが「では」なのか全くわからないのだよ...僕はコーヒーで」
夏「まぁそれがにいさんたちらしいけどネ...店長さん、ボクはオレンジタルトにするヨ」
『かしこまりました』
いつもなら下げられる頭が若干高い位置になってしまったがそこは妥協するしかない
足早に厨房に入って常備しているマスクをつけた...料理に風邪菌入れたら最悪だからな
ーーーーー
『お待たせしました。ご注文の品です』
くそっ...作るのもいつもより若干遅くなった...！ていうか本格的に立ってるのもキツくなってきたし...！
奏「てんちょうさん、だいじょうぶですか？「かおいろ」がわるいですよ？」
『え？』
しまった客に気づかれた...！
渉「この時期は風邪をひきやすいですからねぇ...」
零「たしかにそうじゃの。あれなら我輩たちは早めにお暇した方がいいかもしれん」
『いえ、そんなに気にしないでください。念のため風邪薬を飲みますので。それではごゆっくり』
半ば逃げるようにして厨房に駆け込めばグラリと世界が揺れるが頭を振って誤魔化す
『あと少し...耐えろよ俺...！』
座ってしまうともう立てなくなりそうな気がして調理台に手をついたまま動かないこと十五分...
宗「店長、会計を頼むのだよ」
『はいただいま』
半分身体を引きずりながら店内に向かい、会計を済ませた
夏「それじゃあお大事にね？店長さん」
宗「気をつけるのだよ」
さて、いつもの挨拶で締めますか
『ご来店ありがとうございました』
...出ていったのを確認して、食器を片づけようとしたそのとき
ｸﾞﾗｯ
『っ！？』
世界は回転し、食器を薙ぎ倒して視界は黒く染まっていった
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 134人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「男主」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
佳乃(プロフ) - とっても面白かったです！完結おめでとうございます！ (2018年10月10日 4時) (
レス) id: e3737ad166 (このIDを非表示/違反報告)
琥珀 - 完結おめでとうございます。すごく面白かったです。また、別の作品が出ましたら、楽しみにしてます。 (2018年10月8日 22時) (レス) id: d2016535f2 (このIDを非表示/違反報告)
まっどさいえんてぃすと（笑）(プロフ) - 完結おめでとうございます。凄く面白かったので、これからも頑張って下さい！別の作品が出たら楽しく拝見させてもらいたいです。 (2018年10月8日 21時) (レス) id: a0f994ede7 (このIDを非表示/違反報告)
カトレヤ(プロフ) - さとうしお*さん» コメントありがとうございます！あったかいお話なんてはじめて言われました...！ (2018年10月8日 19時) (レス) id: cdce025386 (このIDを非表示/違反報告)
さとうしお*(プロフ) - 完結おめでとうございます(*´ω｀*) とっても面白くて､温かいお話でした｡ (2018年10月8日 19時) (レス) id: e621729321 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
