引かれた弓の行方、華の咲き場所 ３

第８７開花:華の悪魔 ページ19

SSまであと数日... 弓華side

カタ...カタカタ...カタ...ン

『っ...う゛、おえ゛ぇぇ...！』

何度も吐瀉物を撒き散らし、身も心も、文字通り削りながらキーボードを打つ

あの討論番組が終わってから、私はEdenのみんなと引き離され、事務所の一角に閉じ込められてあるデータを作らされていた

「あの明星を酷評するような内容」のデータを

上層部は出演者を見て、スバルさんが明星さまの息子だと気づいてこんなくだらないことを思いついたんだろう

もしもTrickstarにEdenを追い詰めるほどの実力があり、Edenを打ち負かすことがあったら二度と立ち直れないよう...再起不能にするために

ガリッ...ガリガリ...

『ゲッホッ！ゲホッ！...うっ...！』

もちろん最初は断った。そんなことは私たち全員の性に合わないし、なにより尊敬する明星さまを世間の評判よりもさらに貶めることなんて私にはできなかった

だけどやつらはそんな私にこう言ってきた

「やらないのなら、断るのなら、いまここでEdenの未来を閉ざしてもいい」と

『はぁ...！はぁ...！』

ガリガリ...グチッ...

...私が選ばれたのは、単に切り捨てやすいからだろう。ことが露見しても私を差し出してしまえばやつらは無傷だ

.....そんなの許さない。私は自分の立場にあぐらをかいてなにもしない人間が大きらいなんだから...！

『でき、た...！仕上げは...！』

持ち込んだUSBをパソコンに差して中のデータをでき上がったものの中に忍び込ませていく

これは私の作ったウイルスだ。このデータのフォルダを開いた場合、コズプロ上層部の悪事が全部警察とネットに流れる仕組みになっている

しかもそのウイルスをいれた時点でパソコンはウイルスに支配されているも同然と言っていい。だから証拠は残らない

...毒の仕込み方は茨のやり方を見てたから十分にわかっている。死ぬのなら、貴様らを道連れにして死んでやる...！

みんなが楽園の使者なら、私はそこを護る悪魔でいい！

『.....終わったわ』

スマホで連絡すれば部屋の自動ロックが解除された。「脅しておいたから平気だろう」というくだらない理由で監視カメラがないことにほくそ笑む

.....あぁ、ごめんなさい明星さま。私はあなたを汚してしまった

赦すことなどしなくていい、ですが...こんな愚かな私の願いを聞いていただけるのなら









「仲間」を護りたいと動いたことだけでも



.....褒めていただけますか...？

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