引かれた弓の行方、華の咲き場所 ３

第８６開花:青薔薇と綺羅星二つ ページ18

弓華side

まさか女子トイレがあんな場所にあるなんてね...廊下を走るのはあれだけど、早く戻らないと

『！っと...』

真「うわぁっ！？」

ん？この人たしかTrickstarの...

真「あ、あれ？きみ弓華ちゃん！？なんでまだここにいるの？」

『帰る前にトイレに寄ったんですよ。えっと、遊木さまですよね？』

ぶつかりかけたことでしりもちをついた彼に手を差し伸べれば、彼は申し訳なさそうにしながらもそれを取り立ち上がった

真「うん、合ってるよ。なんかその口調、伏見くんに似てるなぁ。様づけとか丁寧な口調とか」

『！』

...坊ちゃま、いえ桃李さまは天祥院さまに憧れと尊敬の念を抱いていた。そんな天祥院さまがfineのアイドルだと知れば、桃李さまはすぐにアイドルを志す、あの人行動力あったから...

そしてお目つけ役として、とうぜん弓弦も...この夢ノ咲へ来る。まぁ、あたり前よね

緒「お〜い真...って弓華！？」

真「あれ衣更くんどうしたの？」

緒「いやいや、お前が遅いから探しに来たんだよ...で、なんで弓華がまだいるんだ？」

『トイレを借りていただけですよ。もう行きますから、では』

とくに会話する必要もないからね、あんまり遅くなると兄さまとか日和くんが心配するし...

緒「あ、ちょっと待ってくれ！」

『はい？』

真「衣更くん？」

年末には敵になるというのに、なんで馴れ合おうとするんですかねTrickstarは...

緒「いやその...これって聞いていいのかわかんねぇんだけどさ、聞いてもいいか？」

『なんのことだかさっぱりわかりませんがどうぞ？』

緒「おぉ...お前ってさ、弓弦の妹なんだろ？」

真「ええっ！？」

！...どこでその情報を

緒「オータムライブのときにさ、「お前の雑誌を鳴上に見せてもらった」って言っただろ？その日の内に弓弦が過呼吸になって倒れた...そんでお前と弓弦のことを姫宮から聞いたんだ」

なるほどそういうことか、そういえばオータムライブのあとジュンに情報提供したことを謝られたけど...私の情報だったのね、それ

『...えぇ、よくわかりましたね。その通り、私のもう一つの名は「伏見弓華」。fineの伏見弓弦の双子の妹です』

緒「...なぁ、弓弦に会わないのか？せっかくここに来てるんだ、少しくらい」

『それはしません』

キッパリと言い切る私に二人は目を丸くして驚いていた

真「な、なんで！？」

『ーーーーー...約束があるんです。とても小さい頃にした、大切な約束が』

『だから、弓弦がそれを果たしに来てくれるまで私から会う気はありません』


唖然とする二人を放置して、私は自分の居場所へと戻った

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