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8歩目:大桜の秘密 ページ10

一週間後... 時雨side

俺たち三人の生活に泉が加わって一週間がたった

やっぱり元々頭がいいのだろう。言葉を教えればあっさり理解し、ものの使い方もすぐに覚える

...まぁ食事に関してはまだ固形物を食べられないから重湯とか前に知った洋食のスープとかだが

泉「...にぃに」

『ん?どうした泉』

泉「あれ...なに?」

泉は中庭に咲く、この帝都一の大桜を指差して首を傾げていた

...そういえば、まだ花は教えてなかったな

『あの木は桜って言ってな、いまの時期...春に花を咲かせる木だよ』

泉を抱えて巨木の下まで行けば頭上は桃色一色に染まっていた

...懐かしいな、両親が生きていた頃はよく花見をしたっけ。いまは遠くから見るだけで済ましていたが

泉「.....キレイ」

『だろ?この帝都一の桜だ。帝都には他にも桜があるが大きさも美しさもこの桜には劣る』

そうだ。一つ話をしてやろう、この木に宿る精霊と人間の話を

『泉、この辺りの桜はな?何十年かに一度、花の色が桃色ではなく朱色になるんだ。多分、木の精霊の力が溢れるからだろうな...これはその朱色の桜の年の話だ』

ここより遠い村に、桜の神を祀る神社があったんだ

だけど数十年前にその村は盗賊に襲われ、なくなった。たった一人の、生き残った子どもを残して

だけどその子どもも、単純に生き残った訳じゃない

その子は神社に奉納されていた刀を使って戦おうとしたんだが盗賊の一人に、背中を切りつけられて瀕死の状態になった

その姿を哀れに思った...たまたまその場に居合わせた桜の精霊は、その子に自分の魂を貸し与えた

それは精霊が死んだらその子も死に、その子が死んでも精霊は死なないというなんとまぁめんどくさい代物の契約...みたいなものだった

だけど子どもは悲観せず、むしろ感謝して精霊に名字を与えた...

『なんて話があるんだよ』

泉「...すごい」

ほんとすごいよな...精霊のお気にいりになったあいつも、魂を貸し与えたあいつも

泉「その二人...どうなる?」

『あぁ、そいつらなら今日来るよ』

泉「え?」

ガラッ!!

「うっちゅ〜☆たっだいま〜!」

「ただいま戻りました!」

泉「!?」

ニイッ
『...俺の友だちなんだ。そいつら』

9歩目:邂逅→←7歩目:相性の悪い相手



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Hikaひかり(プロフ) - かっちゃんおひさーわいわい雑談の方にコメントしたからみてちょ♪ (2017年12月30日 18時) (レス) id: 16a9728f09 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: x他1人 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2017年12月9日 23時

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