大正妖怪浪漫道 (ページ3)

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１歩目:なんでも屋・涼風ページ3

Noside

ここは帝都、近代化になり始め文化が栄えはじめた街だ

まだ若い青年が統治するこの街で、一番の桜の木が咲く古い武家屋敷が

この物語の主人公が住む屋敷である

時雨side

『おっちゃ～ん、屋根の修理終わったよ』

「お～相変わらず手際がいいな！ここんとこ腰が悪くてなぁ...助かるぜ」

『昔からのお得意さんだから気にしなくていいって！あ、その代わり今度野菜買いに来たら安くしてね！』

「おまっ...ハハハ！そう来るか！ほれ報酬とは別に形の悪いやつはくれてやる！」

『ありがと！じゃまたね～今後も「なんでも屋・涼風」をご贔屓に！』

「おう！気をつけろよ時雨！」

今日の仕事を終えて鼻唄を歌いながら歩く

...おっと自己紹介がまだだった。俺は瀬名時雨、この帝都で「なんでも屋・涼風」をしてる

「時雨ちゃん、今度畑仕事手伝ってくれないかしら？」

『じゃあ明日行くよ、ばあちゃん』

「おい坊主！店番手伝ってくれよ！お前がいると客が増えるからな！」

『アッハッハ！俺の顔は高いよ～？畑仕事終わったらね！』

この通りなかなか評判はいい、俺もこの仕事好きだしね

『ひなた～ゆうた～、団子ちょうだい』

ひ「あ、時雨さんいらっしゃい！」

ゆ「すぐに用意しますね！」

行きつけの団子屋の双子の兄弟と、ここの店長は人間ではない

人に化けて生活しているキツネだ。帝都はそういう場所なんだよ

人と、妖怪が、互いの領域を理解し、侵さずに均衡を保ちながら暮らしている

『そういやあいつは？』

ひ「白兎神社の方に団子届けにいきましたよ、あそこの子たちは化けるの得意じゃない子もいますからね」

『まぁそこは妖怪それぞれか、俺とは大分ちがうだろうし』

ゆ「俺いまだにわからないんですよね～、時雨さんの変化が「妖怪になる」のか「人間になる」のか」

『どっちかっていうと「妖怪になる」だな、団子ありがと』

ん？あぁそう、俺も妖怪といえば妖怪なんだ。まぁ純血じゃないけど...詳しいことはまた別の機会に

「瀬名時雨は貴様だな」

『ん？』

声の方を向けば軍の制服を着たメガネの男とそれの後ろに紺髪の男がいた

『たしかに瀬名時雨は俺だけど...なに？軍のお世話になるようなことはしてないけど？』

「そういうことではない。元帥が貴様を呼んでいる、俺たちと来てもらうぞ」

俺みたいな庶民を...ねぇ

『団子食べながらでいいなら、行ってもいいよ？』

一体どんな用事で...