息を合わせながら ページ36
ｱｽﾞｰﾙ｢僕は……、見返してやりたいだけなのにっ！！｣
劣勢になって来ているからか、アズールの心残りを聞きたくもないのに聞かされる。
先程から耳に入る言葉は、どれも似たようなことで、いじめられたことを相当根に持っている様子だった。
美しい歌声も完璧な頭脳も得意魔法も、全て欲しいかもしれない。
それを持てば、その子たちに勝てるかもしれないと思っているのだろう。
だがな、蛸の坊。
てめぇは間違っている。
何もかも完璧になれば見返せる、
違う、そんな訳が無い。
もし、お前が素晴らしい出来の良い奴になってしまえば、馬鹿にしてきた奴らはお前を尊敬なんかしない。
羨ましがらない。
なぜなら、自慢ができるのはそいつらの少し上までだから。
だいぶ上まで行ってしまえば、そいつらはもう、てめぇをなんとも思わない。
自分とは違う人種(…いや魚種か？)
などと線引きをするのだ。
だから、本当に大切なのは努力している過程を認めてもらうこと。
てめぇにはもう、2匹ほどいるんじゃねぇのか？
激しい攻防戦に、Aは自分のマジカルペンを見た。
大きな一撃を入れてしまったため、これ以上使ってしまえば危ないと察したのだ。
｢レオナ、俺様はサポートしてやっから、攻撃タイミングを合わせてくれ！｣
ﾚｵﾅ｢…誰がお前に合わせるか。お前が俺に合わせろ。｣
頑固な要求が通るとでも思っているのかと、反論したくなるところを口を固く結んで、外に出ないようにした。
レオナの攻撃タイミングとアズールの防御魔法のタイミングを見計らう。
今だ！
魔空撃を打つと、アズールが怯み防御魔法をキャンセルした。
そのため、直後レオナから強めの1発がとんでくる。
そして、追い打ちをかけるように
ﾌﾛｲﾄﾞ｢あ、目ぇ覚ました。｣
フロイドの声が鮮明に聞こえる。
アズールは頭痛により頭を押さえながらも、ぼんやりとした視界のピントを合わせようとした。
そこにはもちろんレオナもいた。
アズールはジェイドやフロドたちから話を大人しく話を聞くと、自分がオーバーブロッドしたことに驚きを隠せないでいた。
ユウたちはアトランティカ博物館で得たそれを突き付けた。
物珍しさにレオナはその写真をのぞき込む。
この後フロイドにより、アズールの黒歴史がばらされるのであった。
一件落着と言いたいところだが、今回の一番の功績者がいない。
Aの姿はすでに消えていたのだ。
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作者名：あかまる | 作成日時：2022年5月21日 17時
