助けにきたぞ ページ11
昼間だと言うのにエースからSOSのサインが頭に響いた。
寮にて課題をこなしていたAは、予想通りになったことを誇らしく思った。
おそらく、エースとデュースはリドルに呆気なく負けたのだろう。
彼は首席であり、詠唱してから発動する時間が極めて短いこともあるが、
まだ、新入生のエースとデュースは彼のユニーク魔法を前にして何も出来なかったのだ、と考えた。
そして、呼び出されるということは彼がオーバーブロッドしたに違いない。
｢船員、1年3人、2年4人。さぁ、船に乗り込め！行き先は…、ハーツラビュル寮だ。｣
寮にいるメンバーを集め、限られたメンバーを船に乗せると、船は徐々に浮かび上がった。
魔法道具の1種であり、ジリーロジャー寮にとっては欠かせない場所のひとつだった。
ユウside
そこは、まさに狂った
リドルの圧倒的強さに一同は驚かされるばかりだ。
魔法の実力に磨きがかかっている、と学園長は褒めたが、
あまりの強さに勝てる道筋がたてられない。
それでも、エースとデュースに感化されたのか気乗らないケイト先輩も重い腰を上げた。
｢遅くなってすまない。｣
雲の上はいつも晴れ、というように
ケイト先輩はこれで千人力だと言わんばかりに声のする方へ顔を上げた。
エースの手には首から下げられた羅針盤が握られていて、咄嗟に開けたことがわかる。
ｴｰｽ｢は……？…なにあれ！？船が浮いてるんだけど！？｣
ﾃﾞｭｰｽ｢乗っているのはおそらくA先輩だろうけど…、こんな乗り物は見たことがないな。｣
彼は空に浮かぶ船に乗って登場した。
その存在に目を見開いてしまったが、エースやデュースの反応からもイレギュラーだと伺える。
トレイ先輩もふと見上げると、その存在を確認しマジカルペンを強く握りしめた。
空に浮かぶ船を見ても、先輩たちは驚かないということは、見た事があったのだろう。
船の先端に腕を組むA先輩はとても様になっていた。
寮服である紫のコートが向かい風に煽られて後方へとたなびいている。
薄く開いた三日月の口は、これから勝つのだと示唆しているようだった。
圧倒的な存在力に、彼こそがその船の船長だと誰しもが理解した。
存在力が満ち溢れる姿は、普段の気が抜けた態度からは全く想像できない。
｢野郎ども、
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作者名：あかまる | 作成日時：2022年5月21日 17時
