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「な、んで」

自分の目を疑った。確かに彼の首元には私を厭悪させる指輪がなかったのだ。

「ごめんね、不安になるような事をしてしまって。

そうだね、君の性格上ずっと我慢して黙っていたのだろう?もっと私が積極的になれば良かったね。

嫉妬してくれていたんだ、嬉しいよ。」

彼は私の頭を愛撫し、その指を耳から頬、頬から首へと滑るように撫でていく。それがくすぐったくて体が思わずビクリと反応してしまう。

「で、どうしたら私が君を好きだという証拠になるかな」

彼は自身の前髪を耳にかけて、私の首をちゅ、と音が出るように何度も口をつけた。

「ま、まって、すぐ、るストップ」

そんな言葉をかけても止めてくれなかった。私より一回り以上大きい傑の体を押し返そうともするがビクともしない。

ましてや傑は自身の口を私の口へ強引に当てつけ、私の言葉を遮らせた。

「……キスしただけでこんなに蕩けた顔をするんだね、可愛い。もっと私にその顔を見せてくれ」

恍惚とした顔をする彼はそのような言葉を発して、すぐに再び私に深いキスをする。

おかしい、いつもの傑じゃない。こんなことする人じゃなかった。突然の事で息を吸うことも儘ならず、苦しい。

私の目が徐々に熱くなっていき、自然と涙が出ているのがわかる。

「…!すまない、泣かせるつもりはなかったんだ」

涙が頬を伝うとそれに気づいた傑が唇を離し、私と傑の混ざりあった唾液が糸を引く。

涙を流す私を傑はぎゅうと抱きしめた。

後頭部と背中を押さえつけられ、涙が傑のシャツを濡らしていく。

「…ずっとこうしたかった。軽蔑したかい?」

ドクン、ドクンと少しだけ速い傑の心臓の音がよく聞こえる。傑の体温も、心臓の音も感じられてとても安心できた。

「少しだけ怖かった」

「…ごめん」

しゅんとした声をしながら、私に少し体重を掛けてくる。

「…でも、私が君を好きだということはわかってくれたかい」

先程の威勢は何処へやら、傑は説教された子供のように恐る恐る私へ聞いた。

「信じる…けどまだちょっと不安」

「不安を取り除けるように努力するよ」

傑は私を抱きしめるのを止めて、私の目を真っ直ぐと見つめる。

「今日はこのままずっと一緒にいたい」

頬を少し赤らめつつ、私の髪を愛でるように優しく撫でながらそう言う。そしてその言葉に私がゆっくり頷くと、傑はいつものように微笑んだ。

こんな幸せがあって良いのかという思いを胸に、私と傑はこのまま夜を明かす。

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rix(プロフ) - 尊さん» お待たせ致しました!只今公開致しました〜!!犬小屋から出てきてくださ〜〜い!!!!お家に帰りますよー!! (2021年3月27日 9時) (レス) id: c4228ae6c4 (このIDを非表示/違反報告)
- rixさん» なぬ、神様の作品なら絶対読みます!犬小屋で地団駄踏んで待ってます! (2021年3月24日 17時) (レス) id: b48a344f5f (このIDを非表示/違反報告)
rix(プロフ) - 尊さん» コメントありがとうございます!わー!そう言っていただけると嬉しいです(;;)休日に新作出すと思うので是非そちらもお読みいただけると嬉しいです笑 (2021年3月24日 17時) (レス) id: c4228ae6c4 (このIDを非表示/違反報告)
- めちゃくちゃ感動しました!あなたは神作の神様だったですね、一生崇拝します (2021年3月24日 14時) (レス) id: b48a344f5f (このIDを非表示/違反報告)
rix(プロフ) - ひなたさん» コメントありがとうございます!よかったです!!笑自信結構なかったのでそう言っていただけると嬉しいです!! (2021年3月22日 13時) (レス) id: c4228ae6c4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:rix @元荼毘 | 作成日時:2021年2月28日 14時

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