私を忘れた先生へ【鬼滅の刃】 (ページ6)

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翌日、私は何ら変わらぬ日常を過ごした。

一つだけ変わったことと言えば

｢弁当忘れた…｣

弁当を家に置いてきた事だった。

給食生活を終えた高校生になってから初めての事だった。

｢珍しいな、Aが忘れ物をするなんて｣

昨日のことで動揺しているのだろうか。

ああ、勿体ない。

家帰ったら食べよう…。

｢授業の物じゃないだけよかったよ…

売店行ってくる

何か買ってくるものある？｣

｢俺は大丈夫だ！

うちのパンがある

なんなら分けようか？｣

｢いやいいよ｣

彼は竈門炭治郎。

席が近くだったこともあり、高校生になって初めての友達だった。

彼の家はパン屋を営んでおり、昼食は必ずと言ってもパンだった。

｢玄弥は？｣

｢ん゛！？

あ、いやいらねぇ｣

彼は不死川玄弥。

あの恐ろしい不死川先生の弟だ。

このような厳つい顔をしているが、私のような女子の前では緊張して上手く話せないらしい。

最近では慣れてきたようだか、私が玄弥に触れると顔を真っ赤にする。

同性の友達はいないのか？と言われるとそうではない。

何故か炭治郎と玄弥には何か見えない縁があるように思えたからだ。

｢ん～…

やっぱり王道の焼きそばだろうか｣

ズラッと並ばれたパックを見る。

私は焼きそばのパックを持って会計へ向かった。

｢すみません、これお願いしまー……｣

財布の小銭を開けながら、売店の人を探した。

｢あ、はい！

ちょっと待ってくださいね！｣

私は目を疑った。

｢ああぁぁ、ごめんなさい！

また50円と100円間違えちゃった…｣

目の前にいたのは間違いなく

｢おいおい、

また間違えたのかよ｣

須磨さんだった。

それと

｢うぅ…ごめんなさい

宇髄先生｣

｢て、｣

天元様！？

傍には天元様がいた。

危ない。

唐突のことで声に出そうだった。

｢おっ、煉獄のとこの｣

須磨さんに向けられた目が私へ向けられる。

ああ、なんでこんなところで。

頭が混乱しそうだ。