ヒーローになりたい少女。【相澤消太】 (ページ9)

今日:3 hit、昨日:28 hit、合計:30,016 hit

９．病院ページ9

．

ｺﾝｺﾝｺﾝ

『お母さん、入るね。』

最寄り駅に着き、家に帰る前に病院に寄る。

ノックをしてドアを開けると、

ベッドの上で座っているお母さんが笑顔で迎えてくれた。

母「あら、A。今学校帰り？」

『うん、あのね、お友達…？できたかも！』

母「まぁよかったじゃない！中学の時の友達と離れちゃったって言ってたし、お母さん心配だったのよ、、」

そう言って胸を撫で下ろすお母さん。

ごめん、お母さん。嘘ついてた。

中学の時、友達なんていなかったよ。

『あ、そういや聞いてほしいの！
　担任の先生、消太くんだったの！！』

母「…え、消太くんって…相澤くん！？あの子！？」

『そう、びっくりしちゃった。
　まさか雄英で先生してるなんて笑』

母「相澤くん、お父さんにすごい憧れていたしねぇ…あ、でもうっかりでも学校で“消太くん”なんて言っちゃダメよ？仮にも先生なんだから！」

『んもぉわかってるって！心配性なんだから！笑』

お母さん、すごく嬉しそう。

それから面会時間ギリギリまで今日あったことをたくさん話した。

……お母さん、また痩せたな、、

『…あ、話し込んでたらもうこんな時間…私帰らないと…』

母「時間経つの早いわね、、………A、」

『ん？』

母「改めて、雄英高校入学、おめでとう。」

『＿＿＿＿＿ありがとう！！』

暖かい病院とは違い、外に一歩踏み出せば肌寒い。

４月で春とは言えど、頬を掠める風はまだ冷たい。

．