【wrwrd】拾う神有り (ページ14)

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日常 9 ページ14

私はいつの間にやら皆の相談相手となっていた。
皆何かと悩み事や愚痴があるようだ。

今日は誰が…なんかすごい走ってくる音が聞こえる。

「Aちゃーん！もう疲れためう。美味しいお菓子と紅茶が飲みたいめう…。」

オスマンさんがノックもせずに総統室へ飛び込んでくる。私にガバリと抱きついてくるが隣にいたグルッペンさんにすぐに引き剥がされていた。

『お菓子と紅茶ならここにありますよ。
オスマンさんは今日外交でしたね？

外交で何かあったんですか？』

「あのおっさn…外交官話が下手くそやねん！
同じことしか言わへんし交渉する余地もないわ。
あんなんでよく外交官なんて名乗れるなぁ。」

猛スピードで愚痴を言いながら今日のお菓子であるタルトを頬張っている。オスマンさんは疲れると早口になるのだ。いつものおっとりした口調はどこへ行ってしまうのやら。

「で、外交はどうなった。」

報告書を書くようにと紙を渡しながら聞く。

「仕事で疲れて帰ってきたのにもう仕事かよ。
癒しが欲しいめう～…」

私の肩に顔を埋めるオスマンさん。グルッペンさんと旧友だからこそこんなことが出来るし、グルッペンさんもそれを許すのだろう。

『オスマンさんはとても話し上手ですからね。何度か外交の場に立ち会わさせていただきましたが、オスマンさんの口撃に匹敵する者は中々いませんよ。』

「Aちゃんは優しいなぁ。それに比べてグルッペンは直ぐに仕事やれって言うし…。」

「そうか、そんなこと言うやつはAの作ったお菓子、食べるの禁止にするからな。」

「何も言ってないよ。」

『まぁまぁ、私のお菓子ならいくらでも食べてください。オスマンさん、今度美味しい紅茶の淹れ方教えてくださいね。』

そう。私はここに来てからオスマンさんの淹れた紅茶を飲んだことがない。

「お、そんなら今からやるか。Aちゃん借りてくねー。」

「早く帰ってこいよ。」

キッチンに向かう私とオスマンさん。
その道中で私はこんなことを聞いた。

『なぜ紅茶を淹れるのがお上手なんですか？』

「んー、趣味やね。美味しいお茶飲めるっていいじゃん。それに相手におもてなしする時に使えるスキルだし出来て損は無いからかな。」

『そんなこと、考えもしませんでした。相手のことをよく想っていらっしゃるのですね。
私にご指導のほど、よろしくお願いします。』

早速、オスマンさんに教示してもらおう！