Ep.134 ページ41
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─────19:50。
先生が教室に入ってくる。
「・・・ほう、お前達の本命は坪井先生か」
先生は黒板を眺めながら、眼鏡を外した。
(・・・ここからは、“信じるな”・・・)
「そういや水越、お前が投稿した動画観たよ。ネットですごい反響だったぞ」
もちろんそんなこと知らない皆は一斉に涼音の方を向く。
「・・・動画って何?」
答えない涼音の代わりに、先生が美咲から没収した携帯であの動画を再生した。
皆は一斉にその動画を覗き込む。
「この動画を観たら、皆坪井先生が犯人だと思うだろうなァ・・・」
「なんでこんなこと・・・、」
呆れたように言った真壁くんに、涼音はふてぶてしく答えた。
「・・・別に嘘ついたわけじゃないし。
私は自分の意見を言っただけ!・・・それの何がいけないの?」
「ネットじゃ、坪井先生へのバッシングで溢れてるよ」
「・・・いい気味、」
先生は何も答えずにパソコンを操作したのち、どこかに電話を繋いだ。
「みーなーさーん!お久しぶりですー!
えー、まもなく8時になります。
景山澪奈のフェイク動画をベルムズに依頼した “hunter” さーん。名乗り出てくださーい!」
画面に向かって手を振ってるから、テレビ電話でも繋いだらしい。
《 柊先生、なんの冗談か知りませんが、ここにはそんな人間いません!》
「そうですかー、残念です!
では、これから教室を爆破しまーす!」
腕時計に指をあてがった先生に、皆は顔を強ばらせている。
《 ちょ、ちょっと待ってください・・・!
ちゃんと、話し合いましょう・・・、 》
《 柊、馬鹿な真似はやめろ・・・!
お前こんなことしてタダで済むと思ってんのか!? 》
「坪井先生、あなたの方こそ、ただじゃあ済みそうにありませんよー」
《・・・どういう意味だ、》
「生徒達の予想では、坪井先生が犯人だと、思っているようです。
・・・おい水越!!こっちに来い。坪井先生が犯人だと思ってるんだろう?自分で説得しろ」
先生はパソコンをこっちに向け、傍を離れた。
涼音は涼音で、ため息をついて教卓の前に立ち、画面の中の坪井先生を見据える。
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わ - いつもみてます! (2019年3月12日 15時) (レス) id: c232dbe5e9 (このIDを非表示/違反報告)
麗 - 作者様、好きです。すこですすこ。 (2019年2月17日 10時) (レス) id: 8656a872ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しぃも | 作成日時:2019年2月17日 3時